薄毛に関するお悩み
公開日:2018年3月12日
更新日:2019年2月4日

短くて細い毛は薄毛の始まりかも?短い抜け毛の原因と減らす方法
身の回りにある短い毛
健康的な髪の持ち主でも抜け毛は起こります。これは衰えた古い毛髪が、これから育つ若い毛髪のために土壌を明け渡すという、正常な流れです。
ですが、抜けた毛が短く細い場合は髪が健康に育っていない可能性が高く、注意が必要です。短く細い抜け毛はなぜ起きるのか、どうすれば改善されるのかを確認します。
自分の抜け毛の状態を把握しよう
まずは日常生活で実践できる抜け毛チェックから始めましょう。身近なところに髪からの危険信号が隠れているかもしれません。
もともと短めにカットしている人は「短い毛」と言われても感覚を掴みづらいでしょうから、自分の比較的長めの髪と比べてどうか、判断しましょう。
身近な抜け毛の長さ、太さを確認する
抜け毛を見つけやすい場所や状況を挙げます。これらの場所に抜け毛があるか、多いか少ないか、そして抜け毛の長さと太さはどんな状態か、をチェックします。
■職場のデスク、自宅のテーブル
ふと頭や髪に触れたとき、毛が落ちることはよくあります。髪を触る癖がある人はとくにデスクまわりに落ちることが多いでしょう。
■朝起きた時の枕周辺
枕と頭が接触することで、髪を触ったとき同様に抜け毛が出ます。濃い色、暗い色の枕カバーを使っている人は寝る前に白や明るい色のタオルを敷いて、翌朝確認しましょう。
■髪のセットしたあとのブラシや櫛(くし)
髪のセット後、ブラシの毛の間や櫛の歯のあいだに抜け毛が絡まることがあります。櫛は手で撫でることで、ブラシは指で毛づくろいするような要領で絡まった毛を取り除けます。豚毛ブラシなど毛が多いブラシの場合は、つまようじなど細いもので取り除きましょう。
また洗面所の流し部分も、髪をセットしたときの毛が落ちて溜まりやすいので確認します。
■浴室の排水溝、また入浴後の手やタオル
シャンプーは頭皮や髪を少なからず刺激するので抜け毛が起きやすく、また他の髪に絡まって残っていた抜け毛がすすぎ時点で流れ落ちます。
これらの場所で見つけた抜け毛の中に他より短いもの、細く弱々しいものが混じっている場合、髪の健康状態は要注意領域にあるかもしれません。
短い抜け毛はAGAのサインかも…!
さて、短く細い抜け毛からは、具体的にどのような髪の不健康状態が予想されるのでしょうか。短い抜け毛が出る原因は複数考えられるのですが、いずれも見過ごせないものばかりです。
まずは男性型脱毛症(AGA)の可能性が考えられます。短くて細い抜け毛は、AGAの症状の特徴のひとつです。ここで「AGAとは?」を再確認しましょう。
なぜ短い抜け毛はAGAの可能性があるのか?
AGAは男性ホルモンが活発になる20代~60代を中心に、早ければ10代のうちにも発症のおそれがある脱毛症です。男性ホルモンの作用で発生してしまった脱毛因子、TGF-βが、頭皮のヘアサイクルを乱してしまいます。
引用元:知っておくべき薄毛の悩みとヘアサイクルの関係とは|ヘアメディカル
ヘアサイクルとは髪の成長周期のことで、「髪が新たに生えて元気に育ち、やがて成長が終わり、衰えて古くなると抜け、また新しく元気な髪が生えてくる」の流れを繰り返すものです。本来ならこのように成長期、退行期、休止期のバランスがとれているのですが、AGAが進行すると、成長期の期間が短くなり、サイクルの移り変わりが早まります。
結果として
まだこれから育つはずだった若い髪の成長が止まる
若い髪が、早く抜ける時期に突入する
古い毛は抜けていくが、新しい髪が生えてこない
といった症状が増えていきます。
髪が育ち切る前に抜けることの積み重ねで、やがて髪そのものが生えない頭皮になるのがAGAの典型的な進行例です。短く、細い抜け毛は、ヘアサイクルの乱れによって「成長が早期に止まり、抜けてしまった若い毛」の状態に当てはまり、AGAの兆候と考えられます。「短い抜け毛が多い」と感じるなら、AGAの可能性もあると考えましょう。
一方で、AGA以外にも短い抜け毛が増える原因はあります。
AGA以外の短い抜け毛を増やす原因とは?

AGAによるヘアサイクルの乱れ以外にも、短く細い抜け毛の原因は考えられます。それぞれのしくみや原因を説明します。
頭皮の栄養不足
髪は栄養を得て成長します。髪の成長に必要な栄養が頭皮へ、そして毛根に行き届かない状態が続くと、ヘアサイクルが正常であっても髪の成長は滞り、そのまま休止期に突入するのです。
頭皮と髪が栄養不足は、以下の原因が考えられます。
喫煙
タバコに含まれるニコチンにはビタミンCを破壊し、血管を収縮させる作用があります。
ビタミンCに次のようなはたらきがあります。
- 頭皮を乾燥から守るコラーゲンを生成する
- アミノ酸を合成して髪の主成分であるケラチンタンパク質を作る手助けをする
- 血流を正常に保つはたらきがあるビタミンEの酸化を防ぐ
喫煙をするとビタミンCが破壊されるため、これらのはたらきが正常に行なわれなくなります。

また、髪の毛の成長に必要な栄養素は、毛細血管を通って運ばれるのですが、ニコチンによって毛細血管が収縮すると、毛細血管が狭くなり血行不良を招きます。すると、髪の毛に充分な栄養が届かなくなるのです。
過度の飲酒
体内に取り込まれたアルコールを肝臓が分解する際にも、いくつかの栄養が消費されます。そのひとつ、ケラチンは髪の毛をつくる栄養素で、髪の毛のうち99%の割合を占める、「髪のもと」ともいえる重要な成分です。
ですが、体は髪を生やし育てることよりも、アルコールの分解を優先します。過度の飲酒によるアルコールの分解にケラチンが費やされると、髪の成長に欠かせないケラチンが不足し、髪の成長が滞ります。
ストレス
ストレスは血管の収縮、結果として血行不良の原因になります。喫煙同様、血行不良は栄養不足になります。その結果、髪が充分に育たない状況を作ります。
精神的なストレスや身体的なストレスは、自律神経のバランスを乱します。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させます。そして、両者がバランス良く切り替わることで、血液はスムーズに流れています。
ところが、ストレスは交感神経を優位にします。そしてこの状態が続くと、血管が収縮したままになり、その中を流れる血液の流れが悪くなるのです。さきほどご説明したように、髪の毛は毛細血管から栄養素の供給を受けています。つまり、ストレスの継続は、髪の成長を乱すことにつながるのです。
運動不足
運動不足は筋力低下と心肺機能の衰えにつながります。血液を循環させるポンプの役割を担う心肺や筋肉が弱まると、血流の悪化につながります。
睡眠不足
髪の成長と傷ついた頭皮の修復に関係している成長ホルモンは、眠りが深いときに多く分泌されます。
成長ホルモンの分泌がもっとも多くなるのは思春期で、それ以降は加齢とともにその分泌量が低下します。そのため、睡眠不足で成長ホルモンの分泌量が減少すると、髪の毛の成長や頭皮の修復に支障をきたします。

睡眠には眠りの浅いレム睡眠と眠りの深いノンレム睡眠があり、それが90分周期で繰り返されます。睡眠の深さは、眠り始めがもっとも深く、起床に向かって次第に浅くなります。そして、成長ホルモンは眠り始めてすぐのノンレム睡眠の時に多く分泌され、眠りが浅くなるレム睡眠の時に分泌量が少なくなるのです。
成長ホルモンは90分おきの睡眠サイクルが正常に行われないと分泌されません。不規則な生活を送っていて、就寝時間がバラバラだったり、夜中に何度も目が覚めたりすると、睡眠サイクルが乱れて成長ホルモンの分泌量が減るのです。また睡眠不足はストレスや疲労の蓄積にもつながります。
これらの髪の栄養不足の原因に心当たりがある人は、改善できるよう生活習慣を見直しましょう。
ストレスは溜め込まないことだけでなく、適度な発散を心がけましょう。
抜け毛が増える原因は、この他にも性別による違いがあります。男女別の薄毛(ハゲ)の原因の違いは以下の記事で紹介しているので参考にしてください。
短い抜け毛を食い止める!
短く細い抜け毛の原因を特定できたので、今後短い抜け毛を減らせるよう、対策方法を提案します。
育毛剤を利用する
短い抜け毛の正体は「育ちきらずに抜けた毛」だと判明したので、髪を育てることで解決が期待できます。最も直接的な解決法が育毛剤です。
手軽に頭皮環境へ、直接テコ入れできます。継続して使用することで効果が高まるので、育毛剤選びには
- 使用感が良く、「毎日使いたい」と思えるもの
- 継続利用が可能な価格設定のもの
に着目するのがおすすめです。
こまめに頭皮をマッサージする
育毛剤の次に取り入れやすい対策です。髪の成長には血流が重要です。頭皮マッサージは血行を促進し、髪が成長しやすい環境づくりにつながります。
バランスのとれた食事を摂る
一日三食、栄養バランスが取れた食生活を心がけましょう。栄養が偏りがちな外食は適度に抑え、またファーストフード、インスタント食品の利用はできるだけ控えましょう。
亜鉛が豊富な サプリメント で、育毛を意識した栄養素を重点的に補給するのも効果的です。
質の良い睡眠をとる
多忙で睡眠不足な人も、できるだけ睡眠時間を確保しましょう。日中の活力にもつながり、仕事がはかどって多忙が軽減できる、という好循環を始めるきっかけになるかもしれません。
禁煙する、飲酒量を適量に
喫煙はデメリットが多く、育毛の観点を抜きにしても禁煙をおすすめします。自分の意思だけではなかなかやめられない人は禁煙外来を利用しましょう。
適度な飲酒はストレス解消や体の機能を補助する役割も果たしますが、飲みすぎは厳禁です。休肝日を設ける、一度に飲む酒量を決めるなど工夫しましょう。
短い抜け毛は髪が不健康な証拠。改善対策を始めよう

短くて細い上に根元に膨らみがない毛は、満足に成長できずに頭皮に根付く力が衰えているサインです。これはAGAの可能性も考えられますし、他の原因として考えられる喫煙や食生活の乱れ、ストレスは、血行不良や栄養不足などにより髪の成長を妨げます。
まずは短い抜け毛が発生する原因を特定し、それぞれできることから改善することで、短い抜け毛は減っていき、健康的な髪の成長を実感できるようになるでしょう。まずは自分の抜け毛に短いものが混じっていないか、ご紹介した方法をもとにチェックしてみてください。