薄毛に関するお悩み
公開日:2018年3月12日
更新日:2019年2月4日

AGAは治るのか?成人男性を悩ませているAGAの原因・種類・治療費は?
■自分の薄毛が心配
テレビやインターネットなどのメディアでAGAが取り上げられることも多くなり、AGAに対して漠然とした不安を抱える人も増えてきているのではないでしょうか。ここではAGAの原因・種類・治療費などについて紹介していきます。
■AGAとは
そもそもAGAとはどういうものなのか、ということについて説明します。
進行する男性型脱毛症
AGAとは男性型脱毛症で、「Androgenetic Alopecia」の略称です。思春期以降の男性によく見られる進行性の脱毛症で、額の生え際や頭頂部の髪が薄くなっていく特徴があります。30代~50代の男性によく見られる症状ですが、最近では20代のような若い人がAGAになるケースも増えています。
■AGAの原因

AGAが発症する原因は色々あると言われていますが、最大の原因となっているのが「DHT」です。ここでは、そのDHTの概要とAGAが発症する仕組みについて説明します。
DHTがAGAの原因物質
AGAの原因は、「DHT」という男性ホルモンです。DHTは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素によって変換されて生成されます。DHTは、テストステロンよりも男性ホルモンとして強力な作用を持っています。男性ホルモンは体毛を濃くする作用があるのですが、前頭部や頭頂部の髪の毛は、細く短くする作用があります。そのためDHTが生成されると、薄毛を招くことになるのです。
AGAが発症する仕組み
前頭部や頭頂部など男性ホルモンの影響を受ける毛の毛乳頭細胞内には、「アンドロゲン受容体」と「5αリダクターゼ」が存在します。男性ホルモンが、毛乳頭細胞内に入ると5αリダクターゼが作用し、テストステロンがDHTに変換されます。
生成されたDHTはアンドロゲン受容体と結びつき、髪の毛の成長を司る遺伝子に指令が送られます。 この指令によって、髪の毛の元となる毛母細胞の増殖や髪の毛の成長を抑える抑制因子が誘導されるため、ヘアサイクルの成長期が短くなります。
結果、充分に髪が成長できなくなり、どんどん細く短くなってしまうのです。
AGAは遺伝する
アンドロゲン受容体は全ての男性の毛乳頭の細胞内に存在し、その感受性の高さには個人差があります。アンドロゲン受容体の感受性が高いとDHTの影響を受けやすく、AGAのリスクが高まるのです。アンドロゲン受容体の感受性は遺伝によって決定し、母方の祖父から受け継ぎます。
ただし、感受性の高い遺伝子を受け継いだからといって、必ずしもAGAを発症するわけではありません。AGAの発症には遺伝だけでなく、生活習慣も関係していると考えられているため、たとえアンドロゲン受容体の感受性が高くとも、生涯AGA を発症しない人もいるのです。
つまり感受性の高い遺伝子を受け継いでいても生活習慣に気をつければAGAのリスクは下げられるということです。下記の記事では薄毛予防に効果的な生活習慣について説明しているので参考にしてください。
■AGAの進行パターン
薄毛の進行の仕方は色々ありますが、日本人に多いのはM型とO型の2パターンです。ここでは、N-H分類と、M型・O型の特徴について説明します。
N-H分類について
AGAの進行パターンでよく使われているのが、N-H分類です。N-H分類とは、アメリカ人皮膚科医のハミルトン氏と、医師のノーウッド氏が作提唱する分類法で、AGAの進行状態が細かく分けられています。
数字が大きくなるにつれて、AGAが進行し髪が少なくなった状態を示します。 日本人男性でとくに多いのは、額の生え際から薄毛が始まる「M型」と頭頂部から薄毛が始まる「O型」の2パターンです。
M型の特徴
M型は、額の生え際やこめかみの上部が徐々に薄くなっていきます。放置していると、徐々に生え際が後退していくため、額が目立つようになります。生え際が後退する特徴があるM型ですが、最終的には頭頂部まで薄くなります。
O型の特徴
O型は、頭頂部の髪が徐々に薄くなっていきます。初期の段階は、生え際に後退が見られないため、頭頂部の薄毛に時間がかかる場合も多いのが特徴です。しかしこちらもM型と同じように、進行していくと、額の生え際も徐々に後退していきます。最終的には、前髪と頭頂部全てが薄い状態となります。
■AGA治療の費用

AGA治療を始める際、とくに気になるのが費用です。AGA治療はさまざまですが、ここでは最もポピュラーなフィナステリドを有効成分とした薬を使用した際の費用について説明します。
フィナステリドを有効成分とした薬
AGA治療で、最初に医師から勧められるのはフィナステリドを有効成分としたAGA治療薬などです。フィナステリドは飲むタイプのAGA治療薬で、5αリダクターゼを抑制してAGAの原因となるDHTに変換されるのを阻止する作用があります。
フィナステリドの相場
クリニックでよく処方されているのは、フィナステリドを有効成分としているプロペシアです。プロペシアの相場は、1か月分の28錠で7,000円~10,000円程度となります。プロペシアには、エフペシアやフィンペシアなどの後発医薬品もあり、これらは2,000円以下で購入できます。
AGA治療で健康保険は適用されるのか
AGA治療は、フィナステリドなどのAGA治療薬以外にも、ミノキシジルなどの塗るAGA治療薬や自毛植毛、発毛治療などさまざまな治療方法があります。これら全ての治療薬に健康保険は適用されません。そのため全額自己負担です。AGA治療は美容整形と同じカテゴリに分類されており、命に関わるような治療ではないため保険が適用されません。
AGAは完治するのか?
AGA治療をすれば、AGAは完治できるのでしょうか。ここでは、AGA治療が完治しない理由と治療期間について説明します。
AGAが完治しない理由
AGAは完治しません。AGA治療は、現状維持または進行を遅らせることを目的としています。完治を目的としているわけではありません。クリニックで処方されるAGA治療薬のフィナステリドは、5αリダクターゼを抑制して、AGAの原因となるDHTが生成されないようする効果がありますが、分泌を止めるようなことはできません。
そのためフィナステリドの服用を中断すると、AGAの進行は再び始まってしまいます。つまり、AGA治療薬は継続的な服用が必要となるため、根本的な意味ではAGAは完治するとは言えないのです。
いつまで治療を続ければ良いのか
AGA治療の効果が出るまでには、早くても3ヶ月はかかるので、最低でも3ヶ月以上は飲み続ける必要があります。また、効果が出たからといって服用を中断すると、DHTは生成され始めるので効果を持続せるためには飲み続けなければいけません。
ただ、治療の経過を見ながら、AGA治療薬の量や通院回数を減らすなどの調整をすることはできます。治療は継続しなければなりませんが、回数の調整によって経済的・効果的な治療を続けることが可能です。
AGAを発症する放置しても治らない
AGAは、テストステロンと5αリダクターゼによって作られるDHTが主な原因です。AGA治療薬のフィナステリドは5αリダクターゼを抑制して、DHTの生成を防ぐので薄毛の進行を食い止めることができますが分泌を根絶するようなことはできません。現状維持はできてもAGAを完治することはできないのです。
しかし完治できないからと、AGA治療をせずに放置すると薄毛はどんどん進行していきます。治療開始が遅れれば遅れるほど、治療が難しくなるので、AGAの可能性を少しでも疑いがある場合は、早めにクリニックで診察を受け治療を始めましょう。