頭皮の悩み
公開日:2018年3月12日
更新日:2019年2月7日

頭皮用化粧水で頭皮の潤いを保とう!かゆみ、乾燥を予防する効果とは
頭皮の乾燥はかゆみやフケ、ニキビや皮膚炎などの症状を引き起こします。また、頭皮の乾燥はターンオーバー(新陳代謝)が乱れる原因で、抜け毛の増加につながるため対策が必要です。
その対策として活用できるのが化粧水です。化粧水は顔に使うイメージがありますが頭皮にも使えます。また、頭皮用の化粧水も販売されています。乾燥によって出る症状や、化粧水を活用するメリット、頭皮用化粧水などについてご紹介します。
■頭皮が乾燥すると出てくる症状とは
かゆみ
頭皮が乾燥するとバリア機能が低下して頭皮が刺激を受け、ヒスタミンというかゆみ物質が放出されるためかゆみが生じます。
フケ
通常、フケは見えないほど小さなものですが、乾燥で頭皮のターンオーバーが乱れると大きなフケとなって剥がれ落ちます。
ターンオーバーの乱れはヘアサイクル(毛髪が生えて抜け落ちるまでのサイクル)の乱れにつながり、脱毛症状につながる恐れがあります。
皮脂の過剰分泌
頭皮が乾燥すると潤いを補おうとして、皮脂が過剰に分泌されることがあります。
皮脂が過剰に分泌されるとベタつくだけでなく、頭皮に生息する菌が皮脂を餌に増殖するため、頭皮ニキビや皮膚炎を発症する原因になります。また、皮膚炎が悪化すると毛根がダメージを受けて抜け毛が増える恐れがあります。
頭皮の乾燥はこのようなトラブルを引き起こすため保湿は欠かせません。
なお、かゆみが生じているのは乾燥ではなくアトピー性皮膚炎が原因の可能性もあります。頭皮に生じるアトピー性皮膚炎については以下の記事で詳しく紹介しています。
■頭皮に化粧水をつけるメリット
インナードライ肌の予防
インナードライとは、肌表面は皮脂でベタついているのに、頭皮の内側の水分量が少なく乾燥している状態です。頭皮の内側の乾燥が乾燥しているため、それを補おうとして皮脂が過剰に分泌されます。そこで頭皮に化粧水をつけて保湿してあげれば、皮脂の分泌を抑えられます。
紫外線のダメージ対策
頭皮用の化粧水で保湿をすると、紫外線のダメージを軽減できます。
紫外線は頭皮に強いダメージを与えて肌の防御機能を低下させ、乾燥肌を招きます。また、紫外線から受けたダメージで頭皮が炎症を起こすと抜け毛や薄毛、白髪などの原因にもなります。
とくに頭皮は体の中で一番高い位置にあり紫外線のダメージを受けやすいため、必ず対策が必要です。
なお、紫外線のダメージによって出る症状や紫外線のダメージ対策についてより詳しくは以下の記事で解説しています。
ターンオーバーの正常化
頭皮は、ターンオーバーを繰り返して、古い角質から新しい角質へと入れ替わっています。 しかし乾燥するとターンオーバーのサイクルが乱れて、バリア機能が低下します。すると、フケやかゆみなどのトラブルが発生してしまうのです。 化粧水で頭皮を潤わせることで、ターンオーバーのサイクルを整えることができます。
■頭皮の保湿には頭皮用の化粧水がおすすめ
化粧水には顔用と頭皮用があり、顔用の化粧水でもヒアルロン酸やコラーゲンなどが入っているため充分に頭皮を保湿できます。
また、顔用の化粧水を頭皮に使えば顔用と頭皮用で別々に購入する必要がないので費用が抑えられますし、選ぶ手間も省けます。女性の場合、化粧台のスペースの節約にもなります。
ただ、頭皮に使うのであれば顔用ではなく頭皮用の化粧水を使うのがおすすめです。頭皮用の化粧水には顔用の化粧水にはないメリットがあるからです。
顔用の化粧水に含まれる成分は大きく異なる
頭皮用の化粧水には雑菌の増殖や炎症を抑える成分が含まれている製品があります。
これらの成分は顔用の化粧水には配合されていません。そのため乾燥やかゆみ、フケ、頭皮ニキビや皮膚炎などの症状が出ているような場合には頭皮用の化粧水が適しています。
他にも、以下の特徴に当てはまるような人は頭皮用の化粧水を選びましょう。
■頭皮用化粧水がおすすめの人

頭皮用の化粧水は、肌が乾燥している人はもちろんですが、その他の頭皮トラブルで悩んでいる人にも効果があります。以下のような悩みがある人には、とくに頭皮用化粧水がおすすめです。
乾燥肌の人
頭皮が乾燥した状態が続くとかゆみを引き起こす神経が敏感になり、風や汗といったわずかな刺激でかゆみが生じます。そして、かゆみが続くとイライラして仕事や勉強に集中できなくなったり、頭皮を掻いて傷つけてしまったりする原因になるのです。
化粧水を使えば頭皮を手軽に保湿できるので、乾燥肌でかゆみがある人は頭皮の保湿を検討しましょう。
血行不良の人
血行不良は、頭皮の乾燥の原因になります。肌表面の温度が下がり、肌に栄養を送る毛細血管のはたらきが低下して、乾燥を招いてしまうのです。また、血行不良は薄毛の原因にもなるので気をつけなければなりません。
フケ・かゆみで悩んでいる人
頭皮にはブドウ球菌やマラセチア菌といった常在菌がバランスを保って、存在しています。ですが、インナードライやターンオーバーの乱れなどが引き金となって常在菌の数が異常に増えて、フケやかゆみを引き起こすのです。たとえば、マラセチア菌が増殖するとフケがひどくなる脂漏性皮膚炎になります。
頭皮用化粧水には抗菌作用のある成分が含まれており、異常に増殖した常在菌の数を減らして、バランスを整える手助けをします。
外にいることが多い人
外回りの仕事をしている人や、アウトドアの趣味を楽しむ人は、紫外線を頭皮に浴びる機会が増えます。
紫外線は、頭皮の細胞の中にあるDNAにダメージを与えます。DNAは細胞が正常に分裂するために必要なので、傷つくと修復が始まります。ただし、DNAを修復している間は細胞が正常に分裂できないため、頭皮のターンオーバーが乱れます。
出典:大西武雄 「近紫外線によるDNA損傷とその修復」生物物理 (1986 年 26 巻 1 号 p. 11-19)
ターンオーバーの乱れは頭皮のバリア機能を低下させ、乾燥やかゆみを引き起こす原因です。頭皮用の化粧水を使えば、DNA が修復されてターンオーバーが正常に戻るまでの間、低下した頭皮のバリア機能を補えます。
■頭皮を乾燥させないためにしておきたいこと

頭皮用の化粧水で保湿する以外にも、頭皮を乾燥させないための対策方法は色々あります。ここでは、手軽にできる対策方法を紹介します。
アミノ酸系シャンプーを使う
頭皮を乾燥させないためにはシャンプー選びも重要です。高級アルコール系シャンプーや石鹸シャンプーは洗浄力が強く、頭皮が汚れている人にとっては良いのですが、乾燥している人にとっては、刺激が強く乾燥する原因になりかねません。
対して、アミノ酸系シャンプーは洗浄力が優しく、適度に皮脂を落とすため頭皮が乾燥している人が使うべきシャンプーです。
なお、アミノ酸系シャンプーの見分け方は、成分をチェックすればすぐにわかります。アミノ酸系シャンプーは、「ココイル」や「ラウロイル」から始まる成分が表記されているので、シャンプー選びの際は成分表を確認しましょう。
さらに詳しくシャンプーの選び方を知りたい場合はこちらの記事を参考にしてください。
シャワーの温度はぬるめに設定する
40度以上の熱過ぎるシャワーは必要以上に皮脂を落とので、38度ぐらいのぬるめに設定しましょう。
水分をしっかり拭き取る
髪を洗った後は、タオルで水分をしっかり拭き取ることが大切です。湿度が高くなっている頭皮は、雑菌が繁殖しやすいため、しっかり拭き取らないと頭皮トラブルの原因となります。
ドライヤーは20センチ以上離して使う
ドライヤーで髪を乾かすことは大切なのですが、使い方を間違えると、乾燥の原因となります。使う時のポイントとしては、20センチ以上離して、同じ場所に長時間当て続けないことです。距離が近過ぎたり、同じ場所に当て続けたりすると、頭皮が乾燥し過ぎるため気をつけましょう。
なお、ドライヤーの効果的な使い方についてより詳しくは以下の記事で解説しています。
外に出る時は紫外線対策
外出時は頭皮の紫外線対策として、帽子をかぶったり日傘をさしたりするだけでも、頭皮へのダメージは大きく減らせます。
頭皮を元気にするために必要な化粧水
顔の皮膚と頭皮は、構造が似ているので、本来は頭皮も顔の皮膚と同じぐらい保湿が重要です。
頭皮に化粧水を使うメリットは
- インナードライ肌の予防
- 紫外線ダメージ対策
- ターンオーバーの正常化
などさまざまあります。顔用の化粧水でも保湿はできますが、かゆみやフケなどの症状を抑えられる頭皮用の化粧水を使うのがおすすめです。
健康な頭皮環境を作るために、今日から化粧水を使ってはいかがでしょうか。