頭皮の悩み
公開日:2018年8月27日
更新日:2018年9月21日

ダメージによりフケが発生することも!紫外線がもたらす頭皮トラブル
さまざまなトラブルの原因になる!紫外線の仕組み
紫外線の影響で起き得るトラブルというと、日焼けによるシミやしわなどの肌トラブルをイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし頭皮もまた、紫外線による悪影響を受けることがあります。まずは、紫外線の仕組みを把握しておきましょう。
紫外線は、UVA(A波)、UVB(B波)、UVC(C波)という3種類に分類されます。このうち、肌トラブルや頭皮トラブルの原因となるものがA波とB波です。オゾン層でブロックされるC波に対し、B波は皮膚表面の表皮まで、A波は皮膚の奥にある真皮まで届くとされています。紫外線が真皮にまで到達すると体内のコラーゲンが破壊され、減少し、乾燥などによりさまざまなトラブルを引き起こしてしまうのです。さらに皮膚のターンオーバー機能を乱し、乾燥やごわつきなどのトラブルを引き起こします。
(出典元:東京工科大学)ただし、紫外線による影響は悪いものだけではありません。紫外線は、体内でのビタミンDの合成をサポートする役割を担っているのです。ビタミンDにはカルシウムの代謝を調整する働きがあり、不足すると骨からカルシウムが溶け出し、骨が脆くなり骨折のリスクを高めることになります。また妊婦さんの場合、胎児の骨の発育に悪影響を及ぼす恐れもあります。そんなビタミンDを体内で合成するには紫外線のサポートが必要不可欠なので、適度に浴びるよう心掛けることが大切です。
(出典元:環境省)紫外線で頭皮が乾燥するとフケが発生する

フケは、頭皮から出る老廃物です。人間の皮膚にはターンオーバー機能があり、一定のサイクルで古い皮膚から新しい皮膚に生まれ変わります。ターンオーバーにより皮膚の奥から表面へと押し出されてきた角質は、やがて自然に剥がれ落ちます。この剥がれ落ちた角質が、フケです。自然に剥がれ落ちたフケは非常に小さいため、本来であればフケに悩まされることはありません。しかし、頭皮環境の悪化により発生するフケは大きくて目立ちやすいもの。さらに大量発生することもあるため、多くの方が悩まされているのです。
フケには、脂性フケと乾性フケの2種類があります。どちらも紫外線により引き起こされる恐れがありますが、頭皮の乾燥と深く関わっているのが乾性フケです。乾性フケは頭皮の乾燥が原因となり発生するもので、白く細かく、パサパサしているという特徴があります。紫外線を長時間浴びたり、過度なシャンプーにより頭皮の皮脂を必要以上に落としてしまったりすることで、頭皮が乾燥してターンオーバーが乱れます。すると十分に成長していない角質まで剥がれ落ち、フケが大量に発生してしまうのです。
この他、紫外線の影響を受け脂性フケが発生する恐れもあります。頭皮にはマラセチア菌という菌が常在しており、マラセチア菌はエサとなる汗や皮脂が過剰に分泌されると増殖します。これにより頭皮がダメージを受け、ターンオーバーが乱れ、埃や汚れでベトベトの脂性フケが発生してしまうのです。
フケだけじゃない!紫外線がもたらす頭皮トラブル
紫外線を浴びすぎてしまうことで起き得る頭皮トラブルは、フケ以外にもあります。
・抜け毛や薄毛
紫外線を浴びすぎることで、頭皮の毛母細胞に多大なダメージを与えてしまいます。髪の毛は毛母細胞で生成されるため、毛母細胞がダメージを受けると髪の毛が生成されず、抜け毛や薄毛のリスクを高めることになります。加えて、紫外線によるダメージで頭皮が硬くなり、髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛や薄毛につながる恐れもあるのです。
なお、紫外線は頭皮だけでなく髪の毛にもダメージを与えます。髪の毛は、メデュラ、コルテックス、キューティクルの3層構造になっており、もっとも外側を覆うキューティクルは紫外線やドライヤーなどのダメージを受けやすいといわれています。キューティクルが傷つくと髪の毛の手触りが悪くなる他、内部を保護する機能が弱まってしまう恐れがあるため注意しましょう。(出典元:J-STAGE)
・白髪
紫外線の影響により白髪が発生する恐れもあります。髪の毛にはもともと色がついておらず、色素幹細胞で作られるメラニン色素を取り込むことで色がつきます。しかし、紫外線を浴びすぎると色素幹細胞がダメージを受け、メラニン色素の生成が抑制されてしまいます。すると髪の毛はメラニン色素を取り込むことができず、色のついていない髪の毛は光の反射により白髪に見えてしまうのです。
このように、紫外線はフケの他にも抜け毛や薄毛、白髪などの頭皮トラブルを引き起こす恐れがあります。後悔しないためにも、帽子や日傘などのアイテムを使って対策することが大切です。なお、日傘の色は紫外線遮断効果が期待できる黒がおすすめです。(出典元:近畿大学)
日焼け後が重要!正しい頭皮のケア方法

対策を怠ったことで紫外線を浴びすぎてしまった場合、適切なアフターケアをすることが大切です。以下、おすすめの日焼け後の頭皮ケア方法をご紹介します。
・頭皮をクールダウンする
日焼け後の皮膚は火傷を負っている状態なので、まずは冷たい水で頭皮を冷やして炎症を抑えることが重要です。水で濡らしたタオルや保冷剤などを頭皮にやさしく押し当て、しっかりとクールダウンします。(出典元:近畿大学)
ただし、皮膚が腫れたり、水疱ができたりする重度の日焼けの場合は早めに医療機関を受診する必要があります。
・当日はシャンプーをしない
日焼け後の頭皮は非常にデリケートになっているため、当日はシャンプーをせず、ぬるま湯で頭皮と髪の毛をゆすぐだけにとどめておきましょう。汚れを落とそうと頭皮を強くこするのは厳禁で、刺激しないよう指の腹でやさしく触れることがポイントです。髪の毛を拭くときも同様に、タオルをやさしく押し当てるようにして水気をきります。ドライヤーをする際は、頭皮にタオルを乗せておくことでダメージを抑えることができます。
・頭皮を保湿する
日焼け後の皮膚は非常に乾燥しており、さらに水分を保持する機能が低下している状態です。放置しておくと乾燥が進んでしまうため、頭皮の水分補給を意識的に行う必要があります。
(出典元:近畿大学)簡単な方法が、頭皮専用のローションをコットンに含ませ、頭皮にやさしくなじませるというもの。使用するローションは敏感肌用のものがおすすめで、刺激の強い美白タイプのものやアルコールを含むものは避けたほうがよいといえます。
上記のケアの他、十分な休養をとることも重要です。傷ついた頭皮の細胞は休養中に修復されるため、しっかりと体を休めることで頭皮トラブルをスムーズに解消できます。
(出典元:近畿大学)夏は特に注意したい!紫外線による頭皮トラブルを防ごう
紫外線は、肌だけでなく頭皮にも悪影響を及ぼす恐れがあります。長時間、強い日差しの下で活動することで、フケや抜け毛、薄毛、白髪などの頭皮トラブルを発生させる恐れがあるため注意しなくてはなりません。ただ、紫外線はビタミンDの合成に必要不可欠なものなので、帽子をかぶったり日傘をさしたりなどの対策を行った上で浴び、さらに日焼け後は頭皮ケアを徹底しましょう。フケなどの頭皮トラブルに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。