白髪に関するお悩み
公開日:2019年1月29日
更新日:2019年1月31日

白髪は抜くと増える?正しい白髪の対処方法を実践しよう!
白髪は抜くと増える、あるいは抜かないと増えるという“うわさ”がありますが、事実かどうかが気になっているという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、白髪に悩んでいるという方へ向けて、白髪が増えるメカニズムと正しい対処方法をご紹介します。白髪が目立たないようにしたい、白髪の対処方法や予防方法を知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
■白髪は抜くべき?それとも抜くべきではない?
白髪を目立たなくするためには、どのようにすればいいでしょうか。白髪が発生するメカニズムを見ながら、正しい知識をご紹介します。
白髪は抜いても増えない
白髪になるのはメラノサイトの機能が低下するためであり、「抜くと増える」というのは正しい情報ではありません。
髪の色は、メラノサイトという色素細胞で生成されるメラニンの含有量によって決まります。メラニンには黄・赤色色素の「フェオメラニン」と黒色色素の「ユーメラニン」がありますが、栄養不足や生活習慣の乱れなどによってメラノサイトの機能が低下するとメラニンによる着色が阻害され、白髪になるのです。
髪を抜くこととメラノサイトの機能低下には関係がなく、仮に白髪を抜いたとしても周りの髪まで白くなることはありません。白髪を抜くと増えたように感じるのは、白髪が生え始めた結果、白髪に意識が向いて目につきやすくなるためだといえます。
白髪を抜いてはいけない本当の理由
メラノサイトが活性化してメラニンを生成しない限り、白髪は改善しません。つまり、白髪を抜いてもその後また新しい白髪が生えてくるため、一時しのぎにしかならないのです。加えて、髪を無理に引き抜くと負荷がかかって毛根が変形し、ウェーブがかかった白髪が生えてきます。まっすぐ生えた白髪よりも目立ちやすいため、結果的に白髪が増えたように見えてしまいます。
さらに、髪を抜くと毛量低下につながります。また毛根に負荷がかかってダメージが蓄積すると髪が生えにくくなり、薄毛を誘発することもあるのです。同じ毛穴には複数の髪が生えているため、抜いた髪だけではなく他の髪にも悪影響を与えます。髪を健やかに保つためにも、白髪は抜かずに対処しましょう。
■白髪の正しい対処方法
白髪は正しく対処すれば、頭皮環境を悪化させずに目立たないようにできます。白髪の本数によって、2種類の対処方法を使い分けましょう。
本数が少ないならハサミで根元からカットする
白髪が数本だけの場合は、ハサミを使って根元からカットしましょう。切るときは白髪を1本だけつまんで軽く引っ張り、ハサミの片刃を根元にあてて滑らせるようにしてカットします。
ハサミで切りにくい場合は、眉毛用の小さなハサミの使用をおすすめします。眉毛用のハサミは刃先がカールしているため、誤って頭皮を傷つける心配がありません。
本数が多いなら白髪染めを使用する
白髪が多く、カットでは追いつかない場合は、白髪染めを使用しましょう。ただし、白髪染めの中には刺激が強いものもあり、何度も使用すると頭皮にダメージを与える恐れがあります。
肌が弱い方はもちろん、頭皮を傷つけたくない、できるだけ刺激の少ないものがいいという方は、低刺激で手軽に使えるヘアカラーコンディショナーがおすすめです。中でもトリートメントタイプは頭皮にやさしく、髪と頭皮をいたわりながら白髪をきれいに染められます。シャンプー後、ブラシを使って塗布するだけで済むため手間もかかりません。
■白髪が増える3つの原因と予防方法

白髪が増える原因としてよく取り上げられる3つをご紹介します。それぞれの白髪との関連性や、予防方法を確認しましょう。
原因1.ストレス
過度なストレスは活性酸素を増やし、メラノサイトにダメージを与える可能性があるといわれています。しかし、実はストレスと白髪の関連性は明らかになってはいません。マウスによる実験では、超音波ストレスによって成長期の体毛が休止期に移行するなどの悪影響が確認されていますが、人体への影響は明確に解明されているわけではないのです。
もちろん、これまでストレスが原因と疑われる白髪が急増した例などは報告されているため、全く関係ないとは言い切れないでしょう。とはいえ、少なくとも都市伝説にあるように強いストレスを受けて一晩で白髪になる、ということは考えにくいといえます。
ただし、強いストレスは円形脱毛症を引き起こすことがあるといわれています。円形脱毛症によって黒髪が抜けることで相対的に白髪が急増したように見えることがあるため、もしも急に白髪が増えたと感じたときは円形脱毛症の疑いがないかを確認しましょう。
なお、ストレスと白髪の関連性は証明されてはいませんが、ストレスによって発生する活性酸素はメラノサイトの機能低下に関係するといわれています。ストレスの解消にはランニングやサイクリングなどの有酸素運動が有効ですので、日頃から取り入れてみてはいかがでしょうか。
原因2.栄養不足
貧血や食生活の偏りなどで栄養不足になるとメラノサイトに栄養が届かなくなり、白髪になる、または増える可能性があります。そのため、ビタミンB12や葉酸、チロシン、銅などの栄養成分をバランスよく摂ることが重要です。
ビタミンB12はメラノサイトを活性化する効果があり、はまぐり、あさりなどの貝類や、イワシ、レバーに多く含まれています。また葉酸もメラニンの生成に関わる重要な栄養素で、ホウレンソウやアスパラガス、からし菜、春菊などの食材に豊富に含まれています。
チロシンはメラニンの元となる成分で、鰹節やチーズ、大豆、レバーなどから摂取することが可能です。加えて銅は赤血球を作る鉄分のサポートをしたり、チロシンに作用する酵素であるチロシナーゼを活性化したりする効果があります。レバーやイクラ、牡蠣など多くの食材に含まれているため、日常生活で不足することはまれです。
上記の栄養素は白髪予防に効果が期待できるため、バランスよく食事に取り入れてみてください。
原因3.喫煙
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は血管の働きを妨げ、酸素や栄養の運搬を阻害します。これによって血流が悪化し、頭皮に栄養が行き渡りにくくなるため、白髪が発生しやすくなります。
さらにニコチンを摂取すると、活性酸素を取り除いて細胞の老化を防ぐビタミンCが大量に消費されます。上記でも述べましたが、活性酸素が蓄積するとメラノサイトの機能が充分に発揮できなくなり、白髪になりやすくなります。
そのため、喫煙習慣があり白髪に悩んでいる方は、ビタミンCを積極的に摂りながら禁煙を目指しましょう。なお、ビタミンCが豊富な食材は、レモンやみかん、イチゴなどの果物の他、トマトやジャガイモなどの野菜です。
■白髪は抜かずに対処しましょう

白髪は抜いてもまた生えてきます。また髪を抜くことで毛根を傷つける恐れがあるため、すでに生えている白髪は根元からカットするか、刺激の少ない白髪染めを使って対処することをおすすめします。
加えて、今後白髪が生えてきにくいように、白髪が増える原因に対処することも重要です。食事や喫煙など普段の生活習慣を見直し、健康な生活を意識しましょう。