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抜け毛に関するお悩み

公開日:2018年3月12日

更新日:2019年6月28日

抜毛症(抜毛癖)とは?髪を抜く病気の原因、症状、治療法

抜毛症(抜毛癖)とは?髪を抜く病気の原因、症状、治療法

抜毛症は身近な病気

世の中には、抜毛症(ばつもうしょう)という病気があります。抜毛症は「抜毛癖(ばつもうへき)」とも呼ばれ、正常な毛を引き抜いてしまう疾患です。ふとした拍子に髪を抜いてしまう人や、ストレスからつい髪を触ってしまう人は、抜毛症の可能性があります。

また、抜毛症に悩んでいるのが子供の場合には、周囲のサポートが必要となることが多いです。抜毛症がどういった病気なのか、改善するためにはどうすればいいのかを解説していきます。

心当たりがある人や、子供が抜毛症かもしれない人は参考にしてください。

意外に多い抜毛症の患者

抜毛症は珍しい病気ではない

抜毛症とは、何かの拍子に髪を抜きたくなったり、無意識に髪を抜きたくなったりする病気です。精神医学的障害の一種とされ、自傷行為のひとつでもあります。

抜毛症の有病率は成人の1~2%で、100人に1~2人は抜毛症であるという計算です。おもに女性に多い症状で、その数は男性の10倍ほどです。特に小学生から思春期の時期に多くみられますが、成人が発病するケースもあります。女性は、女性ホルモンの変動によって症状が現れる場合があり、月経周期や閉経などの女性ホルモンの分泌量が大きく変化する時期に、症状が悪化するケースがみられます。

抜毛症の症状と特徴

抜毛症の症状と主な特徴をご紹介します。なお、抜毛症の症状には個人差があり、抜毛行為の自覚の有無や抜毛の部位は患者によって異なります。

自覚がある場合と無自覚の場合がある

抜毛行為は、自分自身で「毛を抜いている」という自覚がある場合と、無意識のうちに毛を抜いている場合があり、ほとんどの患者には両方の症状がみられます。不安感を和らげるために意識的に抜毛する場合もあれば、いつの間にか毛を抜いている場合もあります。

髪を抜いていると安心する

抜毛症の人は、なんらかの不安を感じているときに、衝動的に髪を抜くことで気持ちを落ち着けようとする特徴があります。髪が抜ける感覚に心地良さを覚えて髪を抜く人もいます。

髪を抜いた後に強く後悔する

髪を抜いてはいけないと理解していても無意識に繰り返し髪を抜くため、症状が収まった後に後悔する人が多いことが抜毛症の特徴です。

抜毛症による髪を抜く行為は、本人の意思による歯止めが利きづらく、見た目を大きく損なうほど髪を抜くのです。

抜毛行為を「恥ずかしい」と考えている場合が多い

抜毛症の患者は、抜毛行為や抜毛症であることを「恥ずかしい」と感じている場合が多いです。多くの患者は、毛が失われた部分を化粧やウイッグなどで隠そうとします。また、家族以外の他人の前では抜毛行為をあまり行いません。

最も多い部位は髪の毛

抜毛の対象として最も多いのは髪の毛です。また、髪の毛以外にもまつげや眉毛、あごひげなどを抜く人もいます。繰り返し毛を抜いていると、毛が生えにくくなったり毛の質が変わったりすることが多く、症状が悪化すると髪、眉毛、まつげがほとんどなくなることもあります。

なお、腋毛や陰毛、胸毛などが抜毛の対象になることはあまりありません。

食毛症を併発する患者も多い

抜毛症の患者の35%~40%は、抜いた毛髪を噛んだり飲み込んだりする「食毛症」を併発しています。その毛が毛玉になって消化管に溜まると、腸閉塞・胃腸炎・栄養失調などの原因になる場合があります。また、毛髪を噛むことで歯が磨耗してしまうこともあります。

患者によってさまざまな症状がみられる

抜毛症の患者の中には、他者やペットの毛を引き抜いたり、衣服や毛布の線維を引き抜いたりする人もいます。また、爪や唇を噛む行為を繰り返す患者が多いほか、毛を抜きすぎて指・首・肩などを傷めるケースもみられます。

抜毛症の診断

抜毛症の診断基準は以下の通りです。抜毛症の疑いがある人はこのような症状がないか確認してみましょう。

  • 脱毛斑が生じるほど繰り返し毛を抜いている
  • 毛を抜く行為を減らす、またはやめようとしている
  • 毛を抜く行為で精神的、身体的な苦痛を感じている
  • 毛を抜く行為が日常生活に支障をきたしている
  • 毛を抜く行為または脱毛が他の病気によるものではない

以上の症状がある場合は、医師に相談することをおすすめします。

抜毛症の原因はストレスと不安

抜毛症になる原因のほとんどはストレスや不安です。髪を抜くと一時的にすっきりすることから、不安やストレスを解消するために髪を抜く行為に走ります。この行為が悪化していくと、わかっていてもやめられないほどに髪を抜いてしまいます。

抜毛症で悩んでいる人の体験談をご紹介します。

髪の毛とまつげはほとんどなくなりました(24歳 女性)

私が毛を抜くようになったのは大学を卒業し、会社で働くようになってからです。働いていた会社はいわゆるブラック企業で、サービス残業は当たり前、睡眠時間が2~3時間しかとれないような日もありました。

強いストレスを感じていたからなのか、私は無意識の内に髪の毛を抜くようになりました。

家族に指摘されて、気づいたらやめるようにしていたのですが、日が経つごとに「毛を抜きたい」という思いが強くなり、やめようとしてもやめられないような辛い状況に陥りました。

最初は髪の毛だけだったのですが、その内まつげも抜くようになりました。

抜毛症が原因で今は髪の毛とまつげはほとんど生えていません。ただ、治療を始めてからは、前のように毛を抜きたいという衝動はなくなりました。

病院に早く行くべきでした(18歳 男性)

15歳のときに両親を亡くし、そのときから毛を抜くのがやめられなくなりました。ストレスを解消する方法がわからず、毛を抜いたり爪をかんだりするようになりました。

ふと鏡を見たときに髪が抜けた自分の姿を見て、「このままではダメだ」と思い、病院で治療を始めました。

今では治療の甲斐があって、毛を抜くことはなくなっています。今思えば、もっと症状が軽い内に病院に行っておけば良かったと思います。

上記の体験談では仕事でのストレスや、大切な人の喪失などが脱毛症のきっかけになっています。

抜毛症を改善したい場合は、ストレスを軽減してなるべくリラックスすることが大切です。

抜毛症と併発しやすい皮膚むしり症

抜毛症は、皮膚むしり症と同時に発症することがあります。皮膚むしり症は、皮膚を剥がしたり引っかいたりして傷つけるのをやめられなくなる精神障害です。無意識にニキビを潰す行為も、皮膚むしり症の一種です。

抜毛症も皮膚むしり症も、おもな原因がストレスや不安であることと、なかなか自制が効かないことが共通しています。また、女性に多くみられる症状である点も同じです。皮膚むしり症の患者の4分の3は女性です。さらに、皮膚をむしる行為を「恥ずかしい」と思い、患部を隠そうとする点も似ています。

皮膚むしり症を放置しておくと、皮膚の状態が悪化して感染症などにもかかりやすくなります。抜毛症とともに皮膚むしり症がある場合は、速やかに医師の診察を受けることをおすすめします。

似ているけれど少し違う 抜毛症と勘違いしやすい強迫性障害

後ろ姿の男性

抜毛症と混同されがちな症状として、強迫性障害があります。この強迫性障害は不安障害という病気のひとつで、抜毛症や皮膚むしり症も、この強迫性障害の関連疾患として位置づけられています。

強迫性障害の患者は、日常的に行なう動作で不安を覚えるようになります。たとえば、外出の際にちゃんと戸締まりをしたかどうかが不安になって、何度も確認するといったことも強迫性障害に含まれます。

こうした不安から逃れるために抜毛症になることもあるのですが、あくまで関連疾患ですので、強迫性障害と抜毛症は違う病気です。大きな異なる点としては、抜毛症や皮膚むしり症には強迫観念がないことです。

強迫観念は、「考えないようにしても頭から離れない観念」のことです。強迫性障害は強迫観念から、なにかをしなければならないとう強い感情を抱くことが特徴ですが、抜毛症などにはそれがありません。抜毛症の場合は、「やめたくてもやめられない行為」が、抜毛だけに限られています。

他にも、時間や場所が発症の条件となりやすい強迫性障害と違って、抜毛症は時間と場所がほとんど関係ないことも大きな違いです。

そして最大の違いは、不安から解放されるかどうかです。強迫性障害は何度行為を行なっても不安が拭えませんが、抜毛症などはその行為を行なっている間は不安やストレスから免れることができます。共通点も多い病気ですが、こういった違いで判断することができます。

抜毛症の治療を受けられる病院

抜毛症の治療は精神科、心療内科、脱毛症外来がある皮膚科などの診療科で受けられます。

診療科の違い

精神科

精神科は心の病気の治療を行なう診療科です。幻聴、幻覚、妄想、不安などの症状がでている場合は、精神科の受診が適しています。

なお、混同しやすい診療科に神経内科がありますが、こちらは脳血管障害やパーキンソン病など神経に関する病気の診療を対象にしているので、精神科とは全く異なります。

心療内科

心療内科は心身症の治療を行なう診療科です。心身症とは身体の症状の中で、心理的な要因が密接に関わっている病気のことです。具体的には抜毛症の他に、パニック障害、抑うつ、自律神経失調症などがあります。

脱毛症外来がある皮膚科

脱毛症外来がある皮膚科では抜毛症をはじめ、円形脱毛症や男性型脱毛症(AGA)などさまざま脱毛症の治療を行なっています。

抜毛症に使用される治療薬

抜毛症は衝動行為であるので,はじめに選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使う.それで効果が不十分なときは,SSRI に抗てんかん薬を追加する.それでも不十分なときは抗てんかん薬を抗精神病薬に切り替えるなどを行う.自傷性皮膚炎(皮膚むしり症,自らに負わせる作為症など)は基盤となる精神疾患にもよるが,多くは SSRI を用い,それで効果が不十分なときは抗てんかん薬もしくは抗精神病薬の併用をする.

引用元:J-STAGE「皮膚科における精神科的薬物療法

自分でできる抜毛症との向き合い方・治療法

抜毛症を改善するための方法として、ハビット・リバーサル訓練があります。そのやり方について紹介していきますので、抜毛症や皮膚むしり症かもしれない人は、ぜひ試してみてください。

ハビット・リバーサル訓練

1.気づきの訓練

この訓練では自己を正しく分析することが必要です。まず大切なことは、無意識でやってしまっている抜毛や皮膚むしりに気づくことです。

そこに気づいたら、今度は「その行為をしようとした時はどんな気分か」「身体や心に何か変化はないか」を分析します。

そして分析した結果を、その都度、紙などに文章として書き残しておきます。

2.対抗反応訓練

無意識だった抜毛が意識できるようになってきたら、今度はそれに抵抗するようにします。

たとえば、髪を抜こうとしたら、手をギュっと握って数分耐えてみる。皮膚をむしろうとしたら、何か物を持つようにするといったように、他のことに置き換えるようにして抵抗していきます。

3.周囲にサポートしてもらう

この治療法をするためには、患者だけではなく周囲の理解も重要になります。恥ずかしがることなく、病気を克服しようと努力していることを周囲に理解してもらいましょう。

誰も自分を見てくれない寂しさから、ストレスとなり抜毛症となっていることもあります。「自分を見てほしい」というサインである可能性も。家族や友人に相談することが難しい状況であれば、今はネットなどもあります。同じ悩みを抱えている人や、相談に乗ってくれる人と出会うことで、症状が少しずつよくなるかもしれません。勇気を持って、探してみるとよいでしょう。

会社でのさまざまなことがストレスとなっている場合、上司や同僚などに相談できれば改善も期待できるでしょう。

また、身近に抜毛症の患者がいる場合は、抵抗しようとしている時にはしずかに見守ってあげましょう。

4.手を頭にやらない

手が自然と、髪の毛を抜くことを覚えてしまっているため、とにかく手を頭にやらないことを意識すると、抜毛症の対処ができます。帽子をかぶったり、バンダナで留めたりすることで、髪の毛を抜けない状況にするのもよいでしょう。また手に何か別のものを持っておき、自然と頭にいかないようにするのもおすすめです。たとえば、タオルなどを持っておくようにすると、タオルから手を離す、というワンステップが追加されるため、対処法として良いでしょう。

リラックスすることも大切

抜毛の症状がでそうな時には、耐えるだけではなくリラックスすることを心がけてみるのも効果的です。

リラックス効果のある腹式呼吸の方法をご紹介しますので、抜毛の症状が出そうな場合は試してみてください。

腹式呼吸のやり方

  1. へその下にそっと手をあてて、身体の力を抜く
  2. 深呼吸する(吐く時は口、吸う時は鼻で息をする)
  3. 落ち着いてくるまで繰り返す

また、抜毛の症状をちゃんと抑えることができた時には、欲しいものを買うなどのささやかな報酬が手に入るようなルールを作ると続けやすくなります。

達成感もより高まりますので、ぜひ試してみてください。

子供が抜毛症の場合の治療方法

基本的に、抜毛症の治療は本人の意思が深く関連しています。ただし、自制心の弱い子供が抜毛症にかかった場合、治療するには周囲の人間の協力が必要になります。

子供の抜毛症の特徴

大人と同じく子供の抜毛症も本人が自覚していない場合や自覚しても周囲の人間に知られないように隠す場合があります。

また、周囲の人間の認識が足りないことも相まって、その発見が遅れることが多い傾向があります。

子供の抜毛症を治すためには

抜毛症を治すためには、まずは両親が本人と話し合い、抜毛症を改善する方法を模索することから始めましょう。症状に対する理解と協力する姿勢を示すことで、子供本人が抜毛症の治療に対して前向きになります。

髪の毛が落ちている場所もチェックしてみましょう。たとえば、勉強机の周辺に抜け毛が多い場合、勉強のストレスが原因の可能性もあります。過度にプレッシャーをかけないようにするとよいでしょう。

いわゆる「良い子」がなりやすく、親には本当のことを話せないケースもあり得ます。素直で、物分りがよくて良い子だと思っていても、心の中には葛藤がある場合も。さらに親に知られては心配をかける、と思い、分からない所で抜いていることもあります。ダメだと分かっていると、余計にやめられなかったり、親から「抜いてはダメ」と言われると、バレてはいけないと、隠れて抜くこともあります。

また、本人の治療へのモチベーションを維持するためにも、子供が抜毛を我慢した場合は、毛を抜かなかったことを褒めることが大切です。

抜毛症の治療の経過には個人差があります。治療を始めて1年以内で症状が軽くなるケースもあれば、20年以上症状が治まらないケースもあります。

なお、幼少期に抜毛症を発症した人は、治療を始めると症状が緩和する傾向がありますが、青年期以降に発症した人は症状が治まりにくい傾向があります。

抜毛症の改善には個人差があります。症状が改善しないと不安に感じますが、不安は抜毛症を悪化させます。抜毛症の治療は、あせらずに根気よく行うことが重要です。

一人で悩まないで!抜毛症で疲れる前に

抜毛症の原因の多くは、ストレスや不安です。そうした原因を特定して対策し、病気を改善するためには、専門家である医師に相談することが大切です。抜毛症は一人だけで悩んでいると、ついつい悪循環に陥りがちです。深く悩む前に、医師や家族に相談してみるといいでしょう。

また、お子様に抜毛症の疑いがある時や、髪の一部が薄くなっている時などは、より注意してお子様を見るようにしてみてください。

抜毛症を悪化させないためにも、早めに医師に相談して、治療を開始することをおすすめします。

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