ミノキシジル大学ミノキシジル大学

ミノキシジル大学

公開日: 2019年4月25日

更新日: 2019年4月26日

「ミノキシジル」と「テストステロン」。AGA克服のビッグキーワードの関係は?

「ミノキシジル」と「テストステロン」。AGA克服のビッグキーワードの関係は?

ミノキシジルは、テストステロンには直接作用しない!?

ミノキシジルはテストステロンに影響するのでしょうか。
AGA治療に使われる発毛効果のある医療成分「ミノキシジル」と、男性の心身を男性らしくするために作用する大事なホルモン「テストステロン」。
どちらもAGAを語るときには外せない大事なキーワード。ミノキシジルはテストステロンに影響を与えるのでしょうか。

    (このコラムのポイント)
  • ミノキシジルとテストステロンについて
  • ミノキシジルについて
  • テストステロンについて
  • AGA(男性型脱毛症)とテストステロンについて

「ミノキシジル」と「テストステロン」ってなに?

AGA(男性型脱毛症)を克服するために、理解しておかなければいけないキーワードがいくつかあります。
そのなかでもとくに注目されているものに「ミノキシジル」と「テストステロン」があります。

「ミノキシジル」と「テストステロン」とは、何のことでしょうか?
そして、「ミノキシジル」と「テストステロン」には、どんな関係があるのでしょうか?

このコラムでは、「ミノキシジル」と「テストステロン」について解説します。

「ミノキシジル」って、なに?

「ミノキシジル」とは、医薬品の“一般名”です。
医薬品には、いわゆる“商品名”とは別に、その医薬品の成分を示す名称があります。それが医薬品の“一般名”と呼ばれるものです。

さて、日本皮膚科学会は「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」において、さまざまなAGA治療法を科学的根拠(エビデンス)に基づいて評価をしています。
この5段階の評価のなかで、もっとも高評価の「推奨度A:行うことを強く勧める」に分類された治療法が3つあります。

    <日本皮膚科学会が推奨するAGA治療法>
  • ミノキシジルの外用(薬)
  • フィナステリドの内服(薬)
  • デュタステリドの内服(薬)

(日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」より)

ここで示された「ミノキシジル外用薬」とは、「ミノキシジル」を主成分とする外用薬(塗り薬)のことです。
ミノキシジル外用薬は、米国をはじめとする世界90か国以上でAGA治療薬として承認されていて、日本でも一般用医薬品として製造・販売されています。

「ミノキシジル」の作用について

「ミノキシジル」は、世界中で利用されているAGA治療薬の主成分の1つであることは前述の通りです。
しかし、ミノキシジルの作用はそれだけなのでしょうか?

ミノキシジルには、発毛作用とは別に、「血管拡張作用」があることが分かっています。

ミノキシジルの血管拡張作用

ミノキシジルは血管(動脈)を拡張させますが、その結果として血圧が低下します。
たとえば、水をまくときに使うゴムホースを指でつまむとホースの内径が細くなり、水圧が上がって水が勢いよく出ます。
指の力を抜くとホースの内径が拡張し、水から受ける圧力が弱まります。
ミノキシジルによって血管が拡張すると血圧が下がるのは、このような作用がはたらいているからです。

この、ミノキシジルの血管拡張作用を主作用とする医薬品が「ミノキシジル内服薬」で、高血圧症治療薬として米国など海外で承認されています。
ミノキシジルの医薬品としての歴史は、この“高血圧症治療薬としてのミノキシジル内服薬”の方が古く、1979年にFDA(米国食品医薬品局)で承認されています。

ミノキシジルの発毛作用

“AGA治療薬としてのミノキシジル外用薬”がFDAで承認されたのは、1988年のことです。
ミノキシジル内服薬を服用すると、副作用として「多毛症」が発現することから、ミノキシジルの発毛作用の研究がはじまったといわれています。

では、ミノキシジルはどのような仕組み(作用機序)で、発毛を促すのでしょうか?

かつては、「ミノキシジルの作用で頭皮や乳毛頭細胞の血管が拡張し、血流が改善されるために発毛が促進される」という、“血流改善説”が唱えられていました。
しかし、ほかの血管拡張薬では同じような発毛作用が確認されないことや、血流のない“in vitro(人為的に作られた環境の下での)”実験でもミノキシジルの発毛促進効果が確認されることなどから、「ミノキシジルによる発毛の作用機序は、“血流改善説”では説明できない」というのが、研究者たちの見解となってきました。
現在では下記のように、ミノキシジルが毛包や毛母細胞・毛乳頭細胞に直接作用すると考えられています。

    <ミノキシジルの発毛作用>
  • 毛母細胞・毛乳頭細胞の増殖を促進する。
  • 毛包のミニチュア化を抑制する。
  • 休止期の毛包を、成長期へと移行させる。
  • 成長期の期間を延長させる。

ミノキシジルについての詳しい情報については、こちらの記事にも書かれています。

ミノキシジルっていったい何? その質問の答えがすべてここに
AGA治療薬「ミノキシジル」の気になるさまざまな副作用とその対策について
ミノキシジルって本当に効果がある? 使い始めて効果が出るまでの期間はどのくらい?
ミノキシジルの効果って「育毛?」「発毛?」それとも両方?

テストステロンとは

テストステロン(testosterone)は、男性ホルモンの1つです。

男性ホルモンには、テストステロンのほか、ジヒドロテストステロン(DHT)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)等があり、これらを総称してアンドロゲン(androgen)と呼ぶこともあります。
男性の場合、テストステロンの95%は精巣で、5%は副腎で合成・分泌されます。
女性は副腎や卵巣で分泌されますが、血中テストステロンは男性の5~10%くらいといわれていています。

テストステロンには、「陰毛が生える」「声変わりをする」「睾丸や陰茎が発達する」など男性の二次性徴の発現を促したり、骨格や筋肉の成長を促進するはたらきがあります。
また、性欲や性衝動もテストステロンの作用です。

テストステロンの分泌は20歳代がピークで、加齢に伴って低下していきます。
テストステロンが低下すると、男性更年期障害やLOH症候群(加齢性腺機能低下症)などを発症することもあります。

(参照 |大東製薬工業「テストステロンについて」)

テストステロンとAGA

さて、テストステロンは、AGAにどのような影響を与えるのでしょうか?

毛乳頭細胞には「男性ホルモン受容体」があります。
前頭部や頭頂部にある毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に男性ホルモンが結合すると、毛母細胞の増殖を抑制する物質が誘導され、その結果、ヘアサイクルの「成長期」が短縮され、毛髪の軟毛化が起こります。
つまり、AGAはテストステロンやDHTなどの男性ホルモンによって引き起こされるといえます。

一方、テストステロンは、毛乳頭細胞で5α-還元酵素(5α-リダクターゼ)のはたらきで、DHTに代謝されます。
このDHTは、テストステロンよりも活性が高く、男性ホルモン受容体にDHTが結合すると、AGAの進行がより速くなると考えられます。

テストステロンとAGA

5α-還元酵素(5α-リダクターゼ)のはたらきを抑制するAGA治療薬は?

DHTがテストステロンよりも活性が高く、AGAの進行をより促進するのであれば、逆にテストステロンからDHTへの誘導を抑制することができるならば、AGAの進行を抑制することができるかもしれません。

前述の日本皮膚科学会による「推奨度A:行うことを強く勧める」のAGA治療法には、「フィナステリド(薬)の内服」と「デュタステリド(薬)の内服」がありました。

この「フィナステリド(商品名「プロペシア」MSD社から販売)」や「デュタステリド(商品名「ザガーロ」グラクソ・スミスクライン社から販売)」は、「5α-還元酵素の「テストステロンをDHTに誘導するはたらき」を抑制するものなのです。

フィナステリド及びプロペシアについての詳しい記事もございます。

ミノキシジルとプロペシアを併用したい!副作用は大丈夫?効果は大きい?
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「ミノキシジル」と「テストステロン」

ここまで考察してきたように、男性ホルモンである「テストステロン」はAGAに大きく関わっていて、テストステロンがより活性の高いDHTに誘導されるのを抑制することが、アンチAGAの1つの方法であることが分かりました。

一方、「ミノキシジル」はAGAに効果的な治療薬ではありますが、テストステロンやDHTなどに働きかけるものではなく、「毛包や毛母細胞・毛乳頭細胞などに直接作用して、AGAによって乱れたヘアサイクルを改善し、発毛を促進するもの」です。

つまり、「ミノキシジル」も「テストステロン」も、どちらもAGAにとっては重要なファクターなのですが、直接的なつながりはないようです。

最新の研究:ミノキシジルはテストステロンに作用する?

「ミノキシジルは、AGAによるヘアサイクルの乱れを改善し、発毛を促進する。
しかし、テストステロンやDHTには直接影響しない。」
これが、現在の定説といえるでしょう。

しかし、近年、この定説を覆すかのような新たな研究成果が発表されました。
その研究論文によると、ミノキシジルが男性ホルモン受容体の機能を抑制する可能性があるというのです。

つまり、ミノキシジルの作用で男性ホルモン受容体の活性が低下し、その結果、テストステロンやDHTが男性ホルモン受容体と結合することを抑制しているのではないかということのようです。
しかし、この研究成果が掲載された論文のタイトルに、「Minoxidil may suppress androgen receptor-related functions」と助動詞“may”が用いられていることから、この「ミノキシジルが男性ホルモン受容体の機能を抑制する」という仮説は、まだ確証が得られたわけではないようです。

いすれにしろ、今後のさらなる研究に期待したいものです。

Minoxidil may suppress androgen receptor-related functions」Cheng-Lung Hsu(2014)
上記ファイルHTLM版

最新の研究:ミノキシジルはテストステロンに作用する?

【まとめ】

AGA治療薬として定評のある「ミノキシジル」、そしてAGAに大きな関わりがある「テストステロン」についてご理解いただけたでしょうか。
ミノキシジルは毛包や毛母細胞・毛乳頭細胞に直接作用することで、AGAを改善し、発毛を促進します。
しかし、AGAを促進するテストステロンやDHT(ジヒドロテストステロン)には、直接作用することがないと考えられています。
しかし、最新の研究では、ミノキシジルが男性ホルモン受容体の活性化を抑制する可能性も示唆されているようです。

薬は正しく使ってこそ、正しい効果が得られるものです。焦らず、慌てず、ミノキシジルと末永くつきあっていきましょう。

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