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ミノキシジル大学

公開日: 2019年4月25日

更新日: 2019年4月26日

ミノキシジルの代謝の仕組みを知る!酵素のはたらきで代謝される活性化

ミノキシジルの代謝の仕組みを知る!酵素のはたらきで代謝される活性化

ミノキシジルは、硫酸転移酵素のはたらきで発毛効果が14倍に!

「ミノキシジルが代謝されると活性が高まる」“代謝”とは、ある物質が酵素の働きで、別の物質に変化することです。
ミノキシジルは、硫酸転移酵素のはたらきで硫酸ミノキシジルへと代謝されます。
この硫酸ミノキシジルは、ミノキシジルの14倍も発毛効果が高いといわれます。
ここでは、ミノキシジルの代謝について解説します。

    (このコラムのポイント)
  • ミノキシジルの代謝について
  • 「代謝」について
  • 酵素について
  • ミノキシジルについて
  • ミノキシジルの代謝について

ミノキシジルの代謝の情報を知りたい!

「ミノキシジル」は、AGA(男性型脱毛症)治療薬としてもっとも認知されている治療薬の1つでしょう。
しかし、意外と知られていないのは、ミノキシジルが体内でどのように“代謝” されて、どのように作用しているのか、その仕組みについてです。

AGA治療は長期戦です。
もし、あなたがミノキシジルで発毛を実現させようとしているのであれば、ミノキシジルの代謝についても知っておいて損はないはずです。

このコラムでは、ミノキシジルの“代謝”について解説します。

「ミノキシジルの代謝」について知る前に(1)/「代謝」って何?

生物体はその生命を維持し、成長するために、生体内でさまざまな物質を合成し、分解しています。
こうした生化学反応を総称して「新陳代謝」、あるいは「代謝」と呼びます。

メタボリックシンドロームは代謝症候群?

「代謝(新陳代謝)」は、英語では“metabolism”。

みなさんもよくご存じの“メタボリックシンドローム”は、 “代謝症候群”と訳されることもあります。
しかし、メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満と、高脂血症・高血圧症・高血糖症などの危険因子が複合的に関連した状態のことで、代謝疾患ではなく動脈硬化の基礎病態のことです。

メタボリックシンドロームはWHO(世界保健機関)が提唱した診断基準で、それまで「シンドロームX」「死の四重奏」「インスリン抵抗性症候群」「マルチプルリスクファクター症候群」などとさまざまな呼ばれ方をしていた病態を、その原因をインスリン抵抗性か内臓脂肪蓄積かを、定めないように付けた名称です。

日本でも、WHOの基準を元に、日本人向けの動脈硬化性疾患予防のために、日本動脈硬化学会・日本糖尿病学会・日本高血圧症学会・日本肥満学会・日本循環器学会・日本腎臓学会・日本血栓止血学会の7学会による合同検討委員会によって、日本人向けの診断基準が作成されました。
病名も「メタボリック症候群」「代謝症候群」「代謝異常症候群」などさまざまな呼び方がされていましたが、最終的に「メタボリックシンドローム」に統一されたのです。

(参照)
「肥満とメタボリックシンドローム―アディポサイトカインから―」船橋徹(2003)
「メタボリックシンドロームの現況」田中明(2007)
「メタボリックシンドロームの定義と診断基準」メタボリックシンドローム診断基準検討委員会(2005)

エネルギー代謝と物質代謝

さて、「代謝」とは、外部から取り込んだ物質を生体内で化学的に変化させることですが、「エネルギー代謝」と「物質代謝」の2つの視点から見ることもできます。

「エネルギー代謝」は、生命維持活動に必要なエネルギーを発生させることで、代謝によって得られたエネルギーは運動や体温保持に利用されます。
「物質代謝」は、体内に取り込んだ物質を分解・合成させて、必要なものは体内で利用し、不要なものは体外へ排泄します。

しかし、エネルギー代謝と物質代謝は別々のものではなく、同時に行われているものです。

代謝は「酵素」の働きで行われる

こうした代謝は、複数の「酵素(enzyme)」によって、リレー式に作用して行われます。
「酵素」とは、生体細胞内で合成されるタンパク質の一種で、触媒作用があります。

酵素は、対応する物質(基質)が特定されていて、その物質(基質)にだけ作用して別の物質(生成物)をつくり出します。
また、こうした酵素の働きは、温度やpHによって、反応速度が変化します。

ヒトの生体内にある酵素の種類は、3,000種類とも5,000種類とも言われていますが、その働きから次の6つに分類されます。

<酵素の種類>

  • 酸化還元酵素(oxidoreductase)
  • 転移酵素(transferase)
  • 加水分解酵素(hydrolase)
  • 脱離酵素(除去付加酵素)(lyase)
  • 異性化酵素(isomerase)
  • 合成酵素(連合酵素)(ligase)
(国際生化学連合酵素委員会の分類による)

(参照)
酵素の分類と命名法」白兼孝雄(2017)
『南山堂 医学大辞典(第18版)』南山堂 

「ミノキシジルの代謝」について知る前に(2)/ミノキシジルの基礎知識

「ミノキシジルの代謝」について知る前に、「ミノキシジル」の基本情報をおさらいしておきましょう。

ミノキシジルの2つの作用

ミノキシジルにはいくつかの作用がありますが、医薬品として利用されている作用は下記の2つです。

<ミノキシジルのおもな作用>

  • 血管(動脈)拡張作用
  • 発毛作用

ミノキシジルの血管拡張作用
ミノキシジル内服薬は、血管拡張作用を主作用とする高血圧症治療薬として承認されたものです。

ミノキシジルは、動脈平滑筋を弛緩させますが、その結果として血圧が下がります。
これは、ホースで水をまくときをイメージするとわかりやすいかもしれません。

ホースの先をぎゅっと抑えて内径を細くすると、ホースから出る水の勢いが強くなります。
逆に、押さえていた手の力を緩めてホースの太さを戻すと、水の勢いは弱くなります。
このように、管内を流れる液体にかかる力が一定の場合、管の内径が細いほど液体が管を押す力が強くなり、内径が太いと管を押す力も弱くなります。

ミノキシジルの作用で血管(動脈)平滑筋が弛緩する

血管(動脈)が拡張する

血圧が降下する

このようにして、ミノキシジルの作用で血圧が下がります。

ミノキシジルの発毛作用
ミノキシジル外用薬は、発毛作用を主作用とするAGA治療薬として承認されています。

<ミノキシジルの発毛作用>

  • 毛母細胞・毛乳頭細胞の増殖を促進する。
  • 毛包のミニチュア化を抑制する。
  • ヘアサイクルの「休止期」の毛包を、「成長期」へと移行させる。
  • 「成長期」の期間を延長させる。

このように、ミノキシジルは毛包や毛乳頭細胞・毛母細胞に直接作用して、ヘアサイクルを改善し、発毛を促すだけでなく、毛髪を長く、太く育てるように作用します。

ミノキシジルの代謝について

こうしたミノキシジルの血管拡張作用や発毛作用も、ミノキシジルがそのままのかたちで作用しているのではなく、生体内で「硫酸ミノキシジル」に代謝されて作用しています。

ある物質に硫酸イオン(SO42-)が結合することを硫酸化といいますが、一般的に硫酸化すると水に溶けやすくなり、尿として排出されやすくなります。

ミノキシジルを代謝する「硫酸転移酵素」

ミノキシジルを硫酸ミノキシジルへと代謝させるのが、「硫酸転移酵素」です。

硫酸転移酵素は、前述の「転移酵素」の一種で、肝臓や血小板、表皮細胞などに多く存在するといわれています。
ミノキシジル内服薬は、その90%が消化官から吸収されます。
吸収されたミノキシジルの90%は、肝臓で硫酸ミノキシジルに代謝され、その後、血液や体液によって体内のいろいろな場所に運ばれていきます。

(参照|LONITEN「添付文書」: HEALTH CANADA(カナダ)

ミノキシジル外用薬は頭皮細胞で代謝される

ミノキシジル外用薬は、頭皮細胞に存在する硫酸転移酵素のはたらきで、硫酸ミノキシジルに代謝されると考えられます。
最近の研究では、硫酸ミノキシジルの発毛効果は、ミノキシジルの14倍も活性が高いことが分かってきました。

また、ミノキシジル外用薬が効くグループと、ミノキシジル外用薬が効きにくいグループを比較したところ、頭皮の硫酸転移酵素の活性に違いがあることも分かってきました。

毛の硫酸転移酵素活性

・頭皮の硫酸転移酵素の活性が高い人→ミノキシジル外用薬が効きやすい。
・頭皮の硫酸転移酵素の活性が低い人→ミノキシジル外用薬が効きにくい。

つまり、ミノキシジル外用薬を使用する場合には、なんらかの方法で頭皮の硫酸転移酵素を活性化させて、ミノキシジルを硫酸ミノキシジルに代謝させやすくすると、より高い発毛効果が得られる可能性があるということです。

カッコンエキスが硫酸転移酵素を活性化する!?

葛(くず)という植物から抽出される「カッコンエキス」という成分があります。
葛根(かっこん)は、漢方薬として古くから使用されていきましたが、カッコンエキスには保湿効果などがあるとして、化粧品やスキンケア商品などにも使われるようになりました。

このカッコンエキスを、培養したヒト表皮細胞に添加すると、硫酸転移酵素遺伝子の発現が増加することが分かってきました。
そこで注目されるのが、カッコンエキスを配合したシャンプーです。
カッコンエキスを配合したシャンプーと、ミノキシジル外用薬を併用すると、ミノキシジルの発毛効果をより高める可能性があるということです。

なお、硫酸転移酵素とカッコンエキスについては下記に詳しい記事があります。
ぜひ、ご覧ください。

ミノキシジルを活性化する「硫酸転移酵素」は、「カッコンエキス」で増加する!?

メカニズムを知って賢いAGA治療を

AGA治療は長期戦です。
同じ治療法を行うにしても、ただ漫然と繰り返すよりも、そのメカニズムを理解した方がより効果的な治療を行うことができるはずです。

もし、治療の途中で迷うことがあれば、AGA専門クリニックの医師や薬剤師に相談をしてみましょう。
きっと的確なアドバイスが返ってくるはずで、そのアドバイスはあなたの背中を押してくれるはずです。

AGA克服に王道はありません。あきらめずに、治療を続けていきましょう。

なお、ミノキシジルについては下記に詳しい記事があります。ぜひ、ご覧ください。

AGA治療薬「ミノキシジル」とは?
ミノキシジルっていったい何? その質問の答えがすべてここに
AGA治療薬「ミノキシジル」の気になるさまざまな副作用とその対策について
ミノキシジルって本当に効果がある? 使い始めて効果が出るまでの期間はどのくらい?
ミノキシジルの効果って「育毛?」「発毛?」それとも両方?

メカニズムを知って賢いAGA治療を

【まとめ】

AGA治療薬として定評のある「ミノキシジル」。
その「代謝」について、ご理解いただけたでしょうか。

ミノキシジルは、体内で「硫酸ミノキシジル」に代謝されてより活性化します。
発毛効果においては、硫酸ミノキシジルは、ミノキシジルの14倍も活性が高いといわれています。
また、頭皮の硫酸転移酵素の活性の高さと、ミノキシジル外用薬の効果に相関があることも分かってきました。
薬は正しく使ってこそ、正しい効果が得られるものです。焦らず、慌てず、ミノキシジルと末永くつきあっていきましょう。

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