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公開日: 2019年4月19日

更新日: 2019年4月23日

ミノキシジルの副作用で「薬疹」が起きるのか?リスクが低い使用法は?

ミノキシジルの副作用で「薬疹」が起きるのか?リスクが低い使用法は?

ミノキシジル内服薬では、ごくまれに「薬疹」が発現する可能性も

「ミノキシジルを使用すると薬疹(副作用)が起きるのか?」薬疹とは、特定の薬剤によって発現する副作用のことで、皮膚症状だけでなく、ときには発熱や倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。ミノキシジル内服薬の添付文書を見ると、頻度はまれながら重症な発疹や皮膚反応を発現したとの報告があります。それはどんな症状なのでしょうか?そして、ミノキシジルの使用で薬疹が出た場合には、どうすればいいのでしょうか?

    (このコラムのポイント)
  • ミノキシジルの副作用の薬疹について
  • 「薬疹」について
  • ミノキシジルについて
  • ミノキシジル内服薬による薬疹について

ミノキシジルの副作用で「薬疹」が出るの!?

AGA(男性型脱毛症)治療薬として定評のある「ミノキシジル」。
ミノキシジルは発毛効果が高いことも確認されているため、多くのAGA専門クリニックでも処方されていますし、市販のミノキシジル外用薬は薬局やドラッグストアでも入手できるため、ミノキシジルを愛用しているAGA男性も少なくないようです。

しかし、AGA治療は長期戦です。そのためミノキシジルの使用も長期間にわたることが前提のため、気になるのは副作用のことです。

一般的に薬の副作用として多いといわれるものの1つに「薬疹」がありますが、ミノキシジルで薬疹(副作用)が発現するのでしょうか?
もし、ミノキシジルで薬疹(副作用)が引き起こされるとすると、どのような症状が出るのでしょうか?また、ミノキシジルで薬疹(副作用)が出た場合には、どのように対処すればいいのでしょうか?

ここでは、ミノキシジルと薬疹(副作用)の関係について詳しく説明します。

ミノキシジルによる薬疹(副作用)を知る前に/そもそも「薬疹」とは?

「薬疹」とは、体内に摂取された薬剤やその代謝物(薬剤が体内の酵素などによって変化した物質)によって誘発される皮膚・粘膜の発疹のことで、アレルギー性薬疹と非アレルギー性薬疹があります。

薬疹の皮膚症状は、蕁麻疹や湿疹、紅斑、紫斑などきわめて多彩で、日光を浴びた部分に皮膚症状が現れる光線過敏症などもあります。また、皮膚症状だけではなく、全身倦怠感、発熱、リンパ節腫脹、肝機能障害、腎機能障害やショック症状を伴うこともあります。

重症化する薬疹も

薬疹の中にはスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)、薬剤性過敏症症候群(DIHS)など重症化するものもあります。

スティーブンス・ジョンソン症候群は、高熱、倦怠感、関節痛、胃腸障害などの全身症状とともに、急速に紅斑が発現します。水疱や出血を伴うことが多く、四肢だけでなく、顔面や体幹、目や口唇、粘膜などにも症状が現れます。

中毒性表皮壊死症は、広範囲な紅斑と、全身の10%以上の水疱、表皮剥離・びらんなど顕著な表皮の壊死(えし)性障害があり、高熱と粘膜疹を伴います。中毒性表皮壊死症の多くは、スティーブンス・ジョンソン症候群から進展したものです。

薬疹(副作用)は、ある日突然に現れる

アレルギー性の薬疹の場合、原因となる薬剤を服用してすぐに症状が現れるのではなく、服用してから数日〜数週間後になって発現します
ときには、服用を続けて数年経ってから、急に症状が現れることもあります。

「いままでずっと飲んでいた薬で、なぜ急に薬疹が出るの?」
そんな疑問もとうぜんですが、それは「アレルギー」という病気の仕組みと関係があります。

(※注 薬疹の発症は遅延型だけでなく、作用する抗体の種類により直ぐに症状が発症する即時型もあります。この「原因となる物質(薬剤)を初めて服用し、抗体を獲得するまでの時間」だけでなく、「アレルギー症状を発症するまでの時間」にもそれぞれインターバルがあります。いずれにしても、直ぐに症状が現れるのではなく、数日から数週間前に服用した薬剤が原因となり、あらためて同じ薬剤を服用した際に発疹等が現れます。)

アレルギーは“感作”によって起こる

細菌やウイルスなどが体内に侵入した場合、それを異物として認識して、攻撃して排除しようとする仕組みがあります。これを“免疫(めんえき)”といいます。

免疫は身体の健康を守る仕組みですが、生体にとって危険ではない物質を体内に取り入れたときにも、その物質を異物(抗原)として記憶(感作)してしまうことがあります。これがアレルギーです。

つまり、ある薬剤を初めて使用したときには、その薬剤に感作していないのでアレルギー症状(薬疹)は起こりません。しかし、その薬剤を繰り返し使用して感作され、アレルギー症状(薬疹)が現れるようになることがあるのです。

薬疹は診断が難しい

このように、薬疹は原因となる薬剤を服用してすぐに発症するわけではないので、皮膚科医でもその症状が薬疹によるものなのか、別の原因であるのか判断するのが難しいといわれています。原因薬剤の特定は、さらに難しいといわれています。

ミノキシジルによる薬疹(副作用)を知る前に/そもそも「薬疹」とは?

ミノキシジルによる薬疹(副作用)を知る前に/ミノキシジルについて

ここでミノキシジルの基礎知識を、おさらいしておきましょう。

ミノキシジルには、内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)があります。

ミノキシジル内服薬は、高血圧症治療薬として開発されたものですが、発毛効果もあるため、AGA専門クリニックなどでAGA治療薬として処方されることもあります。

ミノキシジル外用薬は、日本でも発毛剤として承認された一般用医薬品で、薬局やドラッグストアでも購入できます。

なお、ミノキシジルについては下記に詳しい記事があります。ぜひ、ご覧ください。

AGA治療薬「ミノキシジル」とは?「ミノキシジルって何?」発毛効果、副作用、購入、使用方法などの基本情報を集めました
ミノキシジルって本当に効果がある? 使い始めて効果が出るまでの期間はどのくらい?
ミノキシジルの効果って「育毛?」「発毛?」それとも両方?

ミノキシジルの副作用は?

では、ミノキシジルを使用すると、どんな副作用が出る可能性があるのでしょうか?

ミノキシジル外用薬では、塗布部位が発疹・発赤したり、かゆみやかぶれ症状(副作用)が出ることがあります。
これは、ミノキシジル外用薬の溶剤であるアルコールや添加物に対する過敏症状やアレルギー症状であるといわれています。しかし、こうした外用薬による「かぶれ」などは、一般的に薬疹には含まれません。

<ミノキシジル外用薬のおもな副作用>

関係部位 症状
皮膚 頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、フケ、使用部位の熱感など
精神神経系 頭痛、気が遠くなる、めまい
循環器 胸の痛み、心拍が速くなる
代謝系 原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみ

(引用|スカルプD メディカルミノキ5(添付文書)より)

一方、ミノキシジル内服薬の添付文書(米国版)のおもな副作用の項目を見ると、皮膚症状に関する記述は見当たりません。

それでは、ミノキシジルで薬疹が起きる可能性はないのでしょうか?

<ミノキシジル内服薬のおもな副作用>

  • 心拍数の増加:安静脈拍が20回/分以上増える場合。
  • 急激な体重の増加:服用開始後5ポンド(約2.3kg)以上増えた場合。
  • 顔・手・足首または腹部(胃のあたり)のむくみや腫脹
  • 胸部・腕・肩などの痛み
  • 重度の消化不良の兆候
  • めまい、頭のふらつき、失神
(参照|LONITEN「添付文書」(米国)

ミノキシジル内服薬で薬疹発症の可能性もある

じつはミノキシジル内服薬で、薬疹が起きる可能性があります。

ミノキシジル内服薬「LONITEN(ロニテン)」の添付文書を詳しく読んでみると、下記のような記載がありました。

(引用)
アレルギー:水疱性発疹、中毒性表皮壊死症、およびスティーブンス・ジョンソン症候群などの珍しい報告(rare reports)を含む発疹が報告されている。
(引用ここまで)

つまり、頻度はまれながら、ミノキシジル内服薬を服用して、中毒性表皮壊死症やスティーブンス・ジョンソン症候群などの重度の薬疹(副作用)が発症した報告があるということなのです。

ミノキシジルで薬疹かなと思ったら

では、ミノキシジル内服薬を服用して、薬疹(副作用)を疑うような症状が出た場合はどうすればいいのでしょうか?

1.まず、ミノキシジル内服薬の使用を中止する。
薬疹(副作用)を疑う症状が出た場合は、すぐにミノキシジル内服薬の使用を中止しましょう。

2.すぐに皮膚科を受診する。
治療をせずに様子を見ていると、症状(副作用)が重症化する場合もあります。なるべく早く、皮膚科を受診しましょう。

受診の際には、服用しているミノキシジル内服薬を持参して医師に報告しましょう。また、ミノキシジル内服薬以外にも服用した薬があれば、その薬剤を持参しましょう。薬剤がすでになくなっている場合には、処方時に渡された薬剤の説明書や、薬の入っていた箱など、薬剤が特定できる情報でもよいでしょう。

3.AGA専門クリニックで今後の方針を相談する。
症状(副作用)が落ち着いたら、AGA専門クリニックなどで、今後の治療方針を相談しましょう。
内服薬で薬疹のような副作用が発現した場合には、まれに同じ成分が含まれている外用薬でも症状が出る場合もあります。もし、ミノキシジル内服薬で薬疹(副作用)が出た場合には、ミノキシジル外用薬を使用してもよいかどうか、医師に相談した方がよいでしょう。

リスクの低いミノキシジル外用薬を選択する方法も

ミノキシジル内服薬では、頻度はまれですが重症薬疹(副作用)が発現する可能性もあるようです。アレルギー体質の場合、服用をためらう人もいるでしょう。

そのような場合は、ミノキシジル外用薬をチョイスしてはいかがでしょうか?
ミノキシジル外用薬でも、皮膚症状(副作用)が発現する可能性がゼロではありませんが、重症な発疹(副作用)へ進展する可能性はかなり低くなります。

ミノキシジル外用薬は薬局やドラッグストアで購入できますが、販売前に薬剤師から情報提供を受けることが義務づけられています。その際に、アレルギーの既往があることを告げれば、事前にリスク(副作用)を回避する方法をアドバイスしてもらえるはずです。

AGA治療は長い道のりです。AGA専門クリニックの医師や薬剤師などと相談しながら、安心・安全な治療法を選択してください。

なお、ミノキシジルの副作用については下記に詳しい記事があります。ぜひ、ご覧ください。

AGA治療薬「ミノキシジル」の気になるさまざまな副作用とその対策について

リスクの低いミノキシジル外用薬を選択する方法も

【まとめ】

発毛効果が期待できる「ミノキシジル」。その正しい使用法とその効果について、ご理解いただけたでしょうか。

ミノキシジル内服薬では、頻度はまれではありますが、薬疹(副作用)が起きる可能性もあります。服用の際は、必ず医師の診察、処方を受けてから使用し、個人輸入代行などを利用して、自己判断での使用は避けるようにしましょう。ミノキシジル内服薬を服用して、薬疹(副作用)が疑われるような症状が出た場合には、なるべく早く皮膚科を受診しましょう。

一方、ミノキシジル外用薬では、薬疹(副作用)が引き起こされるリスクは低いようです。AGA専門クリニックの医師や薬剤師と相談しながら、安心・安全な治療法を選択してください。

薬は正しく使ってこそ、正しい効果が得られるものです。焦らず、慌てず、ミノキシジルと末永くつきあっていきましょう。

(参照)
「あたらしい皮膚科学 第2版」清水宏(2011)
/ 9章 紅斑・紅皮症
/10章 薬疹とGVHD
「薬疹の診断と治療―重症型薬疹への対応―」藤本和久(2006)
「薬疹・薬剤アレルギーの診断と治療」塩原哲夫(2011)
埼玉医科大学 「知っておきたい薬物アレルギー」土田哲也 (埼玉医科大学皮膚科教授)

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