ミノキシジル大学ミノキシジル大学

ミノキシジル大学

公開日: 2019年3月25日

更新日: 2019年6月10日

「ミノキシジルはEDの犯人?」は正しい?ミノキシジルの副作用とED、その真相に迫る!

「ミノキシジルはEDの犯人?」は正しい?ミノキシジルの副作用とED、その真相に迫る!

 

EDを引き起こす“真犯人(薬剤)”は別にいる!

「ミノキシジルの副作用でEDになるのか?」いつ頃からか、そんな噂がネットを駆け巡っています。
しかし、真犯人とも言える薬剤は他にもあります。
ミノキシジルなどAGA(男性型脱毛症)治療薬の添付文書や、「ED診療ガイドライン(第3版)」などをひもときながら、AGA(男性型脱毛症)治療とEDの真相に迫ります。

    (このコラムのポイント)
  • ミノキシジルでED(勃起不全)になるのか?
  • ミノキシジルについて
  • ミノキシジルの副作用について
  • EDとEDのリスクファクターについて
  • 副作用でEDになるAGA(男性型脱毛症)治療薬について

ミノキシジルの副作用でED(勃起不全)になるってホント?

ミノキシジルは、その発毛効果が注目されているAGA(男性型脱毛症)治療薬です。
しかし、ミノキシジルを使用すると、ED(勃起不全)の副作用を起こすかもしれないという噂があるようです。

「火のないところには煙は立たない」といいます。もしその噂が本当であるならば、ちょっと心配です。
子作り(妊活)中のカップルに限らず、「ED(副作用)になるかもしれない」という不安を抱えたままでは、AGA(男性型脱毛症)治療も二の足を踏んでしまいます。

では、あらためてミノキシジルの副作用、とくにEDとの関係や、副作用でEDを引き起こす可能性のあるAGA(男性型脱毛症)治療薬について調べてみましょう。

ミノキシジルについて/ミノキシジルには外用薬と内服薬がある

まずは、「ミノキシジル」の基礎知識について、おさらいをしておきましょう。

「ミノキシジル」とは薬剤の商品名ではなく、“一般名”つまり成分の名称です。

ミノキシジル内服薬「ミノキシジル・タブレット(ミノタブ)」

ミノキシジルを主成分とする薬剤には、2つの剤形があります。
1つは錠剤(飲み薬)。ミノキシジルのタブレット(錠剤)を略して、「ミノタブ」と呼ばれることもあります。
ミノキシジル・タブレットは、米国などで高血圧症治療薬として承認されていますが、その副作用として「多毛」があります。
つまり、ミノキシジル・タブレットを長期間服用し続けると、毛髪や顔面の体毛が濃くなったり、新たに発毛してくることがわかっています。
そのため、一部のAGA専門クリニックでは発毛を促すためにミノキシジル・タブレットを処方するところもあります。

ミノキシジル外用薬「塗りミノ」

ミノキシジルを主成分とするもう1つの剤形は、外用薬(塗り薬)です。
ミノキシジル外用薬は「塗りミノ」と呼ばれることもありますが、こちらは日本でも「発毛剤」として承認されています。
ミノキシジル外用薬(塗りミノ)は一般用医薬品なので、医師の処方箋は必要なく、薬局やドラッグストアでも購入することができます。
ミノキシジル外用薬(5%製剤)を長期使用した研究データによると、使用者の98.8%になんらかの効果があることがわかっています。

日本皮膚科学会が作成した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」(※1)でも、ミノキシジル外用薬(塗りミノ)はもっとも推奨される治療法の1つに挙げられています。

ミノキシジルの基本的な情報につきましてはこちらにもございます。

「ミノキシジルって何?」発毛効果、副作用、購入、使用方法などの基本情報を集めました
ミノキシジルって本当に効果がある? 使い始めて効果が出るまでの期間はどのくらい?

よろしければお読みください。

ミノキシジルの副作用について/「ミノキシジルでEDになる」は都市伝説?

さて、そのようなミノキシジルですが、残念ながらいくつかの副作用も報告されています。
ミノキシジル外用薬(塗りミノ)とミノキシジル内服薬(ミノタブ)の副作用を挙げてみましょう。

<ミノキシジル外用薬(塗りミノ)のおもな副作用>

  • 頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感など
  • 頭痛、気が遠くなる、めまい
  • 胸の痛み、心拍が速くなる
  • 原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみ

<ミノキシジル内服薬(ミノタブ)のおもな副作用>

  • 全身の多毛
  • 血圧の低下
  • 急激な体重増加
  • 呼吸困難、息切れ
  • 心拍数の増加
  • 手足のむくみ
  • めまい、ふらつき
  • 頭痛
  • 胃腸障害

ミノキシジルには、血管(動脈)を拡張させて血圧を下げる作用があります。頭痛やめまい、ふらつき、頻脈(心拍数の増加)、胸の痛みなどは、その作用による副作用ではないかと思われます。

また、ミノキシジルの血管拡張作用は動脈に作用しますが、静脈には作用しないため、体液が戻ることができず、むくみが引き起こされるといわれています。
急激な体重増加や手足のむくみ、循環器系の副作用はこれが原因で起きるのだろうと考えられています。

いずれにしろ、ミノキシジル外用薬(塗りミノ)でもミノキシジル内服薬(ミノタブ)でも、ED(勃起不全)の副作用は報告されていないことがわかります。
つまり、「ミノキシジルを使用するとED(勃起不全)になる」という噂は、事実に反する“都市伝説”と考えていいでしょう。

(上記参照資料)
スカルプD メディカルミノキ5(添付文書)
LONITEN(添付文書)

ミノキシジルの副作用についてはこちらにも詳しい情報があります。
そちらもよろしければお読みください。

AGA治療薬「ミノキシジル」の気になるさまざまな副作用とその対策について
ミノキシジルの副作用と期間の相関関係は!?

よろしければお読みください。

EDについて/EDのリスクファクターとなる薬剤もある!

ここでEDについて、確認しておきましょう。

EDとは医学用語のErectile Dysfunctionの略。Erectile Dysfunctionは、「勃起障害」とか「勃起不全」と訳されています。日本性機能学会と日本泌尿器科学会が共同編集した「ED診療ガイドライン(第3版)」では、EDを下記のように定義しています。

(引用)
Erectile Dysfunction(ED:勃起障害/勃起不全)とは:満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または(and/or)維持できない状態が持続または(or)再発すること。 (引用ここまで)

わかりやすく言い換えると、EDとは下記のような症状といえます。

<ED(勃起不全)のおもな症状>

  • 性的に興奮しても勃起しない。
  • 勃起しても充分に硬くならない。
  • 勃起しにくかったり、勃起が長続きしない。
  • 挿入しても途中で柔らかくなり、抜けてしまう。

EDはその病因から、器質性・心因性・混合性の3タイプに分類されますが、そのほとんどは器質性の原因と心因が組み合わさった混合性EDのようです。
なお、EDを解説しているサイトによっては、「心因性」を「機能性」と表現しているところもあります。

さて同ガイドラインでは、EDを引き起こすリスクファクターとして、次の12の因子(ファクター)が挙げています。

<EDのリスクファクター>

  • 加齢
  • 糖尿病
  • 肥満と運動不足
  • 心血管疾患・高血圧
  • 喫煙
  • テストステロン低下
  • 慢性腎臓病・下部尿路症状
  • 神経疾患
  • 外傷・手術
  • 心理的および精神疾患的要素
  • 薬剤
  • 睡眠時無呼吸症候群

ここで気になるのが、「薬剤」です。
EDのリスクファクターとなる薬剤について、もう少し詳しく見てみましょう。

<EDのリスクファクターとなる薬剤>

  • 降圧薬
  • 抗うつ剤
  • 前立腺肥大症治療薬(α遮断薬と5α還元酵素阻害薬)
  • 髄腔内バクロフェン(ITB)療法
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

ここでEDリスクファクターとして「降圧薬」が挙げられています。
先に述べたとおり、ミノキシジル内服薬(ミノタブ)は降圧作用があり、高血圧症治療薬として使用されています。
そのため、「ミノキシジル内服薬(ミノタブ)でEDになる!」と思う方もいるかもしれませんが、そう結論づけるのは早計のようです。

降圧剤、利尿剤を使用しているときは、医師と相談を

ミノキシジルは、「Kチャネル開口薬(カリウム チャネルオープナー)」

降圧薬にもいろいろと種類があり、同ガイドラインでは「勃起機能に悪影響を示唆する報告が多い」薬剤として、利尿薬、β遮断薬、Ca拮抗薬が挙げられています。
ミノキシジルは「K(カリウム)チャネル開口薬」に分類されるもので、ここに示されたEDリスクファクターには含まれないと思われます。

ミノキシジルのむくみ解消のための併用は「ループ利尿剤」

なお、ミノキシジル内服薬(ミノタブ)の副作用として「体液の貯留」があることを前述しましたが、この副作用対策として、ミノキシジル内服薬(ミノタブ)の添付文書には「ループ利尿薬」を併用することが指摘されています。
ループ利尿薬もまた、EDリスクファクターには含まれないタイプの薬品で、ミノキシジルのむくみに対して処方された利尿剤であれば問題ないでしょう。
しかし、万が一、ループ利尿薬ではなく、「サイアザイド利尿薬」と「スピロノラクトン」を処方されている場合は、その副作用でEDをおこす可能性があります。

副作用が気になる場合は、医師に確認を

また、この利尿薬を降圧剤として処方する場合もあります。降圧剤の処方を受けている患者さんに、ミノキシジル内服薬(ミノタブ)を処方する可能性は低いのですが、心当たりがある場合は、一度医師にご相談ください。

(参考)
日本性機能学会/日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン(第3版)」(2018)
公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドライン|ED診療ガイドライン 2012年版|EDのリスクファクター

EDについて/EDのリスクファクターとなる薬剤もある!

火のない所に煙は立たない?/副作用でEDになるミノキシジル以外のAGA治療薬はあるのか?

ミノキシジルED犯人説「その他の疑わしい薬たち」

じつはほかにもEDの原因として疑わしい薬があります。
その容疑者が、AGA(男性型脱毛症)治療薬として用いられている、「フィナステリド」と「デュタステリド」です。
「フィナステリドの内服(薬)」と「デュタステリドの内服(薬)」は、日本皮膚科学会のガイドラインでも、「ミノキシジル外用(薬)」とともに、AGA(男性型脱毛症)治療法の「推奨度A」に挙げられている薬剤です。

AGA治療薬「フィナステリド」「デュタステリド」

「フィナステリド」は、MSD社の商品「プロペシア」がよく知られていて、ジェネリック医薬品も数社から発売されています。
「デュタステリド」は、グラクソ・スミス・クライン社から「ザガーロ」という商品名で製造・販売されています。

「ザガーロ」のジェネリック医薬品はまだ発売されていませんが、ザガーロと同じくデュタステリドを主成分とした前立腺肥大症治療薬「アボルブ(グラクソ・スミス・クライン社)」には、海外で承認されているジェネリック医薬品があります。

「フィナステリド」と「デュタステリド」は、その作用機序はすこし違いますが、どちらも「5α還元酵素阻害薬」に分類されるものです。

5α還元酵素阻害薬…どこかで、見覚えがありませんか?
そう、前述のEDのリスクファクター薬剤の1つに「前立腺肥大症治療薬(α遮断薬と5α還元酵素阻害薬)」がありました。
「フィナステリド」も「デュタステリド」も、もとは前立腺肥大症治療薬として開発されたもので、その後、AGA(男性型脱毛症)にも効果があることがわかり、後にAGA(男性型脱毛症)治療薬として再開発されたものです。
したがって、「ED診療ガイドライン(第3版)」に挙げられているEDのリスクファクターとなる薬剤と、主成分は同じものです。

では、それらの薬剤の添付文書には、EDに関する記載があるのでしょうか?

あります!

ミノキシジルでED?5α還元酵素阻害薬の副作用は?

「プロペシア」の添付文書にも、「ザガーロ」の添付文書にも、勃起不全やリビドー(性欲)減退など、性機能に関係する副作用が挙げられています。

<「プロペシア」のEDに関連する副作用>
ファイル名:表1
(参照|プロペシア 添付文書 )

<「ザガーロ」のEDに関連する副作用>
ファイル名:表2
(参照|ザガーロ 添付文書 )

「フィナステリドやデュタステリドなどのAGA治療薬でEDになった」

「AGA治療薬でEDになった」

「AGA治療薬のミノキシジルでEDになった」

「ミノキシジルでEDになった」

ひょっとすると、このようないきさつで、「ミノキシジルでED容疑」の説が流布していったのかもしれません。

【無罪】「ミノキシジルでED(勃起不全)」はおきない!

ミノキシジル外用薬(塗りミノ)の添付文書にも、ミノキシジル内服薬(ミノタブ)の添付文書にも、ミノキシジルの副作用でEDが引き起こされるという記述を見つけることはできませんでした。
また、「ED診療ガイドライン(第3版)」でも、ミノキシジルがEDのリスクファクターとなりうるという記述はありません。
「ミノキシジルでEDになる」という根拠を見つけることができません。

つまり、
「ミノキシジルは、EDの原因ではない!」
と言い切ってよいのではないでしょうか?

AGA治療薬「フィナステリド」の情報はこちらにもございます。

フィナステリドとミノキシジルの効果、使い始めどれくらいから感じら

よろしければお読みください。

「ミノキシジルでED(勃起不全)になる」は冤罪(えんざい)!

それでもミノキシジルの副作用が気になるなら

しかし、「ミノキシジルでEDにならないか不安だな」と思いながらAGA(男性型脱毛症)治療を進めていくと、もしかすると心因性のEDを引き起こさないとも限りません。
その不安を解消する方法の1つとして、、AGA(男性型脱毛症)治療の専門クリニックの医師や薬剤師のアドバイスを受けることをおすすめします。
AGA(男性型脱毛症)治療への不安を取り除くだけでなく、より効果的な治療法や、AGA(男性型脱毛症)に悪影響を与える生活習慣の見直しなど、大きなメリットを得られるかもしれません。

ミノキシジルを安全に安心にお使いいただくための情報をまとめた記事もあります。
「AGA治療薬「ミノキシジル」の安心・安全な購入方法と注意点」
「ミノキシジル育毛・発毛剤(外用薬)て、「医薬品」なの?」
よろしければこちらもお読みください。

【まとめ】ミノキシジルの副作用でEDは起きるのか?

ミノキシジルとEDの関係について、ご理解いただけたでしょうか。
ミノキシジルに副作用があるのは事実ですが、研究データにはEDを引き起こすという報告はありません。
一方、EDのリスクを高める薬剤があることも事実です。
AGA(男性型脱毛症)治療は専門クリニックの医師や薬剤師と相談しながら進めることが、不安解消にもつながります。
薬は正しく使ってこそ、正しい効果が得られるものです。焦らず、慌てず、ミノキシジルと末永くつきあっていきましょう。

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