ミノキシジル大学

公開日:2018年11月8日

更新日:2018年11月12日

ミノキシジルの副作用?心臓へのリスク(動悸・胸痛など)はあるのか?

ミノキシジルの副作用?心臓へのリスク(動悸・胸痛など)はあるのか?

ミノキシジルは内服薬と外用薬で、心臓への副作用リスクが違う!

「ミノキシジルは心臓に副作用をもたらすか?」ミノキシジル外用薬の添付文書には、「胸の痛み」「心拍が速くなる」など、心臓(循環器系)の副作用に関する記述があります。ミノキシジル内服薬による心臓への影響も気になります。ミノキシジルの心臓(循環器系)への副作用、 もし心臓(循環器系)に副作用が出たらどうする? など、ミノキシジルと心臓(循環器系)の副作用について解説します。

    (このコラムのポイント)
  • ミノキシジルによる心臓への副作用について
  • ミノキシジル外用薬と動悸・胸痛について
  • ミノキシジルの開発経緯について
  • ミノキシジル内服薬の副作用について
  • ミノキシジルの発毛のメカニズムについて
  • ミノキシジルで心臓の副作用を感じたら

ミノキシジルで心臓に副作用?/クスリはリスク・ベネフィット・バランスが大切

ミノキシジルは、厚生労働省が承認した一般用医薬品のなかで唯一、発毛効果が認められた成分です。
「発毛」とは、ゼロから毛髪を生やすことで、まだ生えている毛髪を太く、長く成長させる「発毛促進」や「育毛」「養毛」とは根本的に違うものです。

ただし、「ミノキシジル外用薬」の効果が発現するには、治療開始から少し時間がかかり、その効果の判定には6か月〜1年は必要で、また、使用を中止すると数か月でその効果が消失するといわれています。

したがって、あなたがAGA(男性型脱毛症)克服の手段としてミノキシジル外用薬を選択すると、あなたとミノキシジル外用薬とのお付き合いは、すごく永いものになりそうですね。

薬剤の長期使用となると、気になるのは副作用のこと。医薬品であるミノキシジル外用薬にも、副作用はあります。その副作用のなかでも、とくに気になるキーワードが“心臓”。「ミノキシジルを使用すると、心臓に副作用が出る」という情報を目にすることもあります。これが事実だとすると、かなり心配。毛髪のために心臓の健康を犠牲にしたのでは、リスク・ベネフィット・バランス(「リスク=不利益=副作用」と「ベネフィット=利益=効き目」のバランス)が悪すぎますよね?

さて、ミノキシジルの使用で心臓に副作用が出るのは本当なのでしょうか? そして、
もし心臓に副作用が出るとしたら、それはどんな症状で、どれくらいのリスク(危険性)があるのでしょうか?

ミノキシジルで動悸や胸痛!?(心臓に関連した副作用)

さて、ひとくちに「心臓への副作用」といってもさまざまな症状が考えられます。

心臓に問題が出たときに起こる症状としては、動悸、頻脈や徐脈(拍動がゆっくりになること)、不整脈、胸の痛みなどがありますが、はたしてミノキシジルの使用でこれらの症状が出るのでしょうか?

ミノキシジル外用薬の添付文書に記載された「副作用」には、下記の記述があります。

循環器系の副作用 / 胸痛、動悸

たしかに、ミノキシジル外用薬には、心臓への副作用の可能性もあるようです。

気になるのは、厚生労働省医薬安全局が1999年12月にリリースした、下記の報道発表です。


ミノキシジルの安全使用の徹底について

1.副作用の報告状況
「ミノキシジルと動悸・胸痛等」に関する「医薬品等安全性情報(No.157)」を公表(11月9日)し、安全性の確保の観点から、薬局・薬店での販売時に、使用中あるいは使用後に好ましくない症状があらわれた場合には、直ちに使用を中止し、医師又は薬剤師に相談するよう注意喚起を徹底するとともに、動悸、胸痛等の好ましくない症状の情報が得られた場合には医薬品等安全性情報報告制度による報告をお願いしたところである。
以後、12月2日までに循環器系の副作用が医療機関等より13例報告されており、そのうち7例については狭心症、高血圧等循環器系の既往のあるものであった。その他にも消費者、家族等からの情報に基づく報告も約30例あり、現在詳細な調査を実施しているものの、情報不足のため評価は困難である。

2.対応策
ミノキシジルと循環器系の副作用との関連性については、米国において行われた約20,000例の疫学調査で関連がないとの結果が得られており、直ちにミノキシジルとの関係を疑うことは難しいと考えられる。しかしながら、報告された症例は狭心症、高血圧等循環器系の既往のある者が多かったことから、「高血圧、低血圧で現在治療を受けている人」及び「狭心症等、心臓に障害のある人」に対する安全使用の徹底を図るため、以下のような対応を行うこととした。
(1)(社)日本薬剤師会及び各都道府県を通じ、薬局等において購入者に対し既往歴等の確認を行い販売するよう指導を徹底する。
(2) 製造業者に対し、外箱の表示等を改善し、狭心症、高血圧等の既往のある者は、購入前に医師・薬剤師に相談するよう注意喚起を徹底する。

(引用元)

ざっくり言うと、

  • 「ミノキシジル外用薬を使用して“動悸”や“胸痛”があった」という報告がありました。
  • だけど、海外の調査でも、「ミノキシジルと循環器系副作用は関係がない」ことがわかっています。
  • なので、販売するときには、購入希望者が「高血圧症や低血圧症の治療を受けていないか」「狭心症や心臓に障害がないか」などを確認してから売ってください。
ということです。
つまり、リスコミ(リスク・コミュニケーション)をしっかりと行う必要があります。

ここで思い出して欲しいのは、「ミノキシジル外用薬は、一般医薬品のなかでも“第1類医薬品”に分類されている」ということです。

この第1類医薬品は医師の処方箋なしで購入することができますが、購入時には薬剤師から直接説明を受けるか、文書での情報提供を受けてからでないと買えません。
この、「ミノキシジル外用薬の販売時の説明で、薬剤師さんが使用時のリスクをちゃんと伝えて、そのリスクを理解(リスコミ)したうえで購入・使用すること」が大切なのです。

ミノキシジルで起きる動悸の記事も、ご興味がありましたら、合わせてお読みください。

ミノキシジルで動悸や胸痛!?(心臓に関連した副作用)

心臓への副作用も納得。「ミノキシジル開発秘話」

ところでこのミノキシジルは、本来、発毛剤・育毛剤として開発されたものではなかったのです。

ミノキシジルには血圧を下げる効果があり、1979年に米国で高血圧症治療薬(経口降圧剤)として承認を受けました。
このミノキシジル内服薬は、現在でも米国で製造・販売されるとともに、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が米国をはじめインドやフィリピンなどで製造・販売されています。
しかし、日本では厚生労働省の承認を受けていないので、薬局やドラッグストアで購入することはできません。

では、ミノキシジル内服薬の副作用にはどんな症状があるのでしょうか?

<ミノキシジル内服薬の副作用>

  • 多毛(細かい体毛の伸長・色素の沈着)
  • 浮腫・体液滞留
  • 頻脈、心嚢炎、心タンポナーデ
  • 息切れ、呼吸困難
  • めまい、立ちくらみ、失神
  • 心電図の異常
  • 胃腸障害

ご覧のように、循環器系の副作用がいくつか挙げられています。
「ミノキシジルで心臓に副作用があるか?」という質問に答えるなら、「ミノキシジル内服薬には、心臓(循環器系)の副作用のリスクがある」と明言できるでしょう。

さて、この副作用の1つ、「多毛」に注目して開発された別のクスリが、ミノキシジル外用剤で、1988年に米国で承認を受けました。日本でも1999年に、外用発毛剤(塗り薬)として一般用医薬品の承認を受けています。

ここで、ミノキシジル内服薬とミノキシジル外用薬について、もう一度整理をしておきましょう。

剤形

適応症

心臓への副作用

ミノキシジル内服薬

錠剤

高血圧症

頻脈、心嚢炎、心タンポナーデ、息切れ、
呼吸困難、心電図の異常

ミノキシジル外用薬

外用薬(ローション)

男性型脱毛症

胸痛、動悸


同じミノキシジルを主成分とするクスリでも、内服薬と外用薬では、適応症も副作用も、大きく違うのですね。

(上記参照|LONITEN「添付文書」

ミノキシジルの発毛メカニズム

ミノキシジルには発毛効果があるといわれていますが、そのメカニズムはどんなものでしょうか?

<ミノキシジルの発毛効果の仕組み>

1)血管拡張による血流改善
2)毛母細胞への直接の刺激
2-1 毛包のミニチュア化の抑制
2-2 “休止期”の毛母細胞を“成長期”へと移行させる
2-3 成長期の期間維持

ミノキシジルには、血管(動脈)を拡張させる働きがあります。ミノキシジル内服薬で血圧が下がるのは、この血管拡張作用によるものです。

ミノキシジルの発毛作用も、(1)の血管拡張作用で毛母細胞への血流が改善されて、その結果、育毛・発毛が促されるのだろうと言われてきました。
しかし、最近の研究では、(2)の作用で、発毛を止めていた毛母細胞からの発毛が再開し、ヘアサイクルの改善で育毛も促されるという仮説が唱えられています。

なお、ミノキシジル外用薬の場合、こうした発毛作用はミノキシジルを塗った場所(頭皮)で起こりますが、ミノキシジル内服薬の場合は(毛髪だけでなく)全身の体毛で起こりるのです。

ミノキシジルについては以下の記事にも詳しく書かれています。よろしければご参考にご覧ください。

ミノキシジルで動悸や息切れを感じたら?

ミノキシジルの使用にあたっては、前述の通り、下記のような人はとくに注意が必要です。

  • 高血圧症の治療を受けていて、すでにほかの降圧剤などを服用している人。
  • 低血圧の人。
  • 狭心症など心臓障害の既往がある人。

ミノキシジルを購入する際には、AGA専門クリニック医師や薬剤師に自身の既往症や現状を正しく伝えて、的確なアドバイスを受けることが大切です。
「高血圧だとか狭心症だというと、ミノキシジルを売ってもらえないかもしれないから内緒にしておこう」などとは思わないでください。

そして、ミノキシジルを使用して、もしも動悸や息切れ、胸の痛みなどを感じた場合は、すぐにミノキシジルの使用を中止してください。そして、医師や薬剤師にその旨を伝えて、相談しましょう。
経験豊富な医師や薬剤師であれば、あなたのその症状(動悸・息切れ・胸痛など)とミノキシジルとの因果関係を正しく分析して、的確なアドバイスを与えてくれるはずです。

ミノキシジルで動悸や息切れを感じたら?

【まとめ】

日本で唯一発毛効果が承認されているミノキシジル。
その、心臓への副作用についてご理解いただけたでしょうか。

日本でも承認されているミノキシジル外用薬では、心臓の副作用は、比較的軽いようです。一方、日本で未承認のミノキシジル内服薬は、無視できない心臓への副作用もあるようです。

内服薬にせよ、外用薬にせよ、ミノキシジルで心臓への副作用を感じたら、すぐに使用を中止し、医師や薬剤師に相談するようにしてください。

薬は正しく使ってこそ、正しい効果が得られるものです。焦らず、慌てず、ミノキシジルと末永くつきあっていきましょう。

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