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ミノキシジル大学

公開日: 2018年7月3日

更新日: 2018年8月29日

ミノキシジルで腎臓にはどんな副作用が現れるのか?

ミノキシジルで腎臓にはどんな副作用が現れるのか?

発毛効果が認められ、AGA治療に積極的に使用されるミノキシジル。しかし、国内で承認を受けているのは外用剤(塗り薬)だけ。内服ミノキシジルは腎臓への負荷が高いほか、さまざまな副作用が報告されています。ここでは、ミノキシジルが腎臓に与える影響について解説します。

腎臓への負荷が心配される内服ミノキシジル

AGA治療に効果が認められているミノキシジルは、長期間の投与が必要です。発毛効果が期待できる反面、腎臓をはじめとした内臓への副作用が気になるところ。内服ミノキシジルは腎臓にどのような影響を与えるのか、そして、安心してミノキシジルを使用するためにはどんなことに注意すればいいのか、腎臓の仕組みと合わせて解説します。

  • 腎臓への副作用を知る前に/ミノキシジルって何?
  • 腎臓への影響や副作用も違う?ミノキシジルの外用薬と内服薬
  • 外用ミノキシジルと内服ミノキシジルの効果とメカニズム。腎臓との関係は?
  • 腎臓にも影響する?外用ミノキシジルと内服ミノキシジルの副作用について
  • ミノキシジルの腎臓への副作用を知る前に/腎臓の働きを知る
  • ミノキシジルの腎臓への副作用とは

腎臓への副作用を知る前に/ミノキシジルって何?

「ミノキシジル」とは、国内で唯一「発毛剤」としての認可を受けている薬効成分(薬用成分)の名称です。

日本皮膚科学会は「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(※1)でさまざまな治療法の推奨度を5段階で評価していますが、「ミノキシジル外用」は最も評価の高い「A:行うよう強く勧める」に分類しています。つまり、AGA(男性型脱毛症)の治療に、ミノキシジルを外用薬(塗り薬)として用いることを、強く勧めているのです。

しかし、このミノキシジル、実は発毛剤・育毛剤として研究開発されたものではないのです。ミノキシジルには血圧を下げる作用(降圧効果)があるため、1979年に米国で高血圧治療薬(経口降圧剤)としての承認を受けました。一方、臨床試験でいくつかの副作用も確認されていましたが、そのなかに「多毛」がありました。つまりミノキシジルを長期間服用すると、頭髪や体毛が濃くなるというのです。

この発毛という薬効を主作用として発毛剤の製品開発を行い、1988年にFDA(アメリカ食品医薬局)で外用薬(塗り薬)として承認を受けました。日本でも、1999年に一般用医薬品として厚生労働省の承認を受けています。

ミノキシジルについては、「AGA治療薬「ミノキシジルとは?」」のページにも詳しく書かれています。
よろしければ合わせてご覧ください。

(※1 参考 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

腎臓への影響や副作用も違う?ミノキシジルの外用薬と内服薬

さて、ミノキシジルは日本では外用薬(塗り薬)しか医薬品として承認されていませんが、米国では内服薬(飲み薬)も製品化されています。

塗り薬タイプのミノキシジルは「塗りミノ」と、飲み薬タイプのミノキシジルはミノキシジル・タブレット(錠剤)を略して「ミノタブ」と呼ばれることもあります。

「塗りミノ」には、ミノキシジルの成分量が1〜5%と、さまざまなタイプのものが製品化されています。
一方、「ミノタブ」も、1錠に含まれる成分が2.5mg、5mgや10mgなどがあり、1錠ずつシートに包装されたものや、100錠が1つの瓶に入ったボトルタイプなどがあります。

外用ミノキシジルと内服ミノキシジルの効果とメカニズム。腎臓との関係は?

ところでミノキシジルは、なぜ発毛・育毛に効果があるのでしょうか?

1つは、ミノキシジルの血行促進効果によるものです。ミノキシジルは血管を拡張させて、血液の流れをよくする働きがあります。血液の流れがよくなると、頭皮や毛根にも栄養が届きやすくなり、新陳代謝を促し、その結果、毛髪が丈夫になるのです。

そしてもう1つ、ミノキシジルには毛母細胞の働きを活性化させる働きがあるといわれています。毛髪にはヘアサイクルという成長のリズムがありますが、AGAではこのサイクルが極端に短くなります。ミノキシジルは、「休止期」にある毛髪を「成長期」へと移行させ、毛包のミニチュア化を抑制して、本来の成長期の期間を維持し、毛髪を太く成長させる作用があるのです。

「塗りミノ」は、発毛を促したい部分、つまり頭皮に直接薬剤を塗ります。するとミノキシジル成分が頭皮から吸収され、毛母細胞などに作用します。一方、内服の「ミノタブ」の場合、錠剤に含まれるミノキシジル成分は小腸などから吸収されて血管を通して全身に運ばれます。つまり、頭皮だけではなく、全身の体毛にも作用するわけです。

腎臓にも影響する?外用ミノキシジルと内服ミノキシジルの副作用について

ところで、どんな薬にもさまざまな副作用がつきものですが、ミノキシジルにはどのような副作用があるのでしょうか。

日本皮膚科学会のガイドラインによると、ミノキシジル外用薬の「有害事象」としてのような症状が挙げられています。

  • 掻痒(そうよう)
  • 紅斑(こうはん)
  • 落屑(らくせつ)
  • 毛包炎
  • 接触皮膚炎
  • 顔面の多毛

「掻痒」とはかゆみのこと、「紅斑」は皮膚が赤くなること、「落屑」とはフケが出ることです。また男性における掻痒や接触皮膚炎などの皮膚症状は、「2%ミノキシジル液」では出現率が2%であるのに対し、「5%ミノキシジル液」では6%と、ミノキシジルの濃度が高いほど出現率が高い傾向にあるようです。

一方、内服薬「ミノタブ」では、下記のような副作用が報告されています。

  • 血圧の低下
  • 心拍数の増加
  • むくみ
  • めまい、頭痛、息切れ、動悸
  • 吐き気、嘔吐
  • 催奇形性
  • 白血球減少症、血小板減少症
  • 心筋障害、心タンポナーゼ(※1)

外用ミノキシジルに比べて、内服ミノキシジルの副作用は全身に症状が現れ、なかには重篤な症状もあることがわかります。

ちなみに、前述の通り、内服ミノキシジルは日本では承認されていないため、国内では製造・販売されていません。

また、米国などでは内服ミノキシジルが製造・販売されていますが、それは高血圧治療薬としてのみ認められているもので、発毛剤としての使用が承認されている国はいまのところありません。

(※1 心タンポナーゼ 心臓と心臓を覆う外膜の間に、液体や気体が溜まり、心臓が動けなくなること。早急に処置をしないと命に関わる。)

腎臓にも影響する?外用ミノキシジルと内服ミノキシジルの副作用について

ミノキシジルの腎臓への副作用を知る前に/腎臓の働きを知る

ミノキシジルの腎臓への影響を考察する前に、腎臓の働きについて知っておきましょう。

腎臓はソラマメのような形をした握り拳くらいの大きさの臓器で、腰のあたりに左右対称に2個あります。ボクシング中継を観ていて「キドニー・ブロー(kidney blow)」という反則のことを耳にされた方もいると思いますが、直訳すると「腎臓攻撃」。つまり背中の腎臓付近を打つことですが、ボクシングでは後頭部や背中側を故意に攻撃することは反則なので、キドニー・ブローも反則になるのですね。

さて、その腎臓はどんな働きをしているのでしょうか。

  • 血液を濾過して、老廃物や余分な塩分や糖分を尿として体外へ排出する。
  • 血液中の塩分と水分をコントロールすることで、血圧を調整する。
  • 血液中に含まれる電解質(ナトリウム・カリウム・リンなど)を調整する。
  • ビタミンDを活性化し、造血ホルモン「エリスロポエチン」を分泌する。

このように、体内環境を一定に保つために、腎臓は24時間休むことなく働き続けているのですね。

ミノキシジルの腎臓への副作用とは?

何らかの薬を体内に取り入れた場合、一般的に次のような流れをたどります。

・吸収:内服の場合は小腸などから。外用の場合は皮膚から体内へ。

・分布:血管を通じて体内の各組織へ。

・代謝:肝臓の薬物代謝酵素で代謝し、体外へ排出されやすい構造へ変化。

・排泄:腎臓でフィルターにかけられ、異物として尿とともに体外へ。

このように、薬物を摂取するとほとんどの場合、腎臓に負荷がかかることになります。それが短期間であれば、腎臓は問題なくその役割を果たします。しかし、長期間の投与や、腎臓への負荷の大きな薬物の場合、腎機能障害を引き起こすことがあります。

(参考 一般社団法人日本腎臓学界 「腎臓の構造と働き」

では、ミノキシジルは腎臓に悪影響を与えないのでしょうか。

FDAは、内服ミノキシジルによって腎臓に負担がかかり、悪影響を及ぼす可能性があると指摘しています。

ミノキシジルには、血中の血糖値を調整するホルモン「インスリン」の分泌を低下させる働きがあります。

血糖値を調整しているインスリンが低下すると血糖値が上昇し、今度は血糖値を下げるために働く腎臓の負担が増えるのです。

解熱剤や風邪薬など投与期間の短い薬と違い、ミノキシジルは数年にわたって投与する必要があります。

外用ミノキシジルの場合はその成分のほとんどは塗布部分にとどまり、血液を通じて腎臓へ届く量はきわめて少量です。一方、内服ミノキシジルの場合は腎臓への負荷は否めません。

外用ミノキシジルのAGA治療が、日本をはじめとする各国で承認されているものの、内服ミノキシジルのAGA治療を認めている国がないのは、こうした副作用のリスクが多いことがその理由の1つです。慢性腎不全などの腎機能障害のある方はもちろん、現時点で腎機能に問題がない方でも、ミノキシジルの内服は大きなリスクがあることを認識すべきです。

なお、外用ミノキシジルの腎臓への負荷が少ないことは前述の通りですが、人工透析などを受けている場合など、腎機能に不安を抱えている方は、使用の前にAGAの専門クリニックなどで医師に相談する方がよいでしょう。

ミノキシジルの腎臓への副作用とは?

【まとめ】

日本で唯一発毛効果が承認されている塗り薬・ミノキシジル、その正しい使用法、効果、そして腎臓の副作用について、ご理解いただけたでしょうか。

ミノキシジルの腎臓への影響は、内服の場合にはとくに注意が必要なことがおわかりいただけたと思います。薬の効果を期待するなら、正しく使ってこそです。

AGAを改善するなら、ミノキシジルの用法は正しく、そして末永くつきあっていきましょう。

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