ヘアケア・育毛
公開日:2018年3月12日
更新日:2019年2月4日

傷んだ髪はもとに戻せる?傷みをケアするコンディショナーの使い方
どうして髪の傷みは治らないのか
髪の傷みが治らないのは、髪の細胞の性質に理由があります。
指を守る爪と同じように、髪は頭部を守るために存在している角質です。これはケラチンというたんぱく質によって形成された比較的硬い細胞のことで、傷の修復がされる肌や目などとは違い、既に死んでいる細胞・死滅細胞と言われます。
死滅細胞である髪は、ダメージを負ってしまっても肌のように傷が治癒することはありません。そのため一度髪が傷ついたら、そのダメージはいつまでも残ります。
またどれだけ髪に有効であるとされる栄養をあたえても、髪の傷みを保護する以上の効果は期待できません。
髪が傷む原因
カラーリングやブリーチ
カラーリングやブリーチは、カラー剤を髪内部のメラニン色素に浸透させるために、キューティクルを開く薬液を含みます。キューティクルは髪をホコリや紫外線といった外的刺激から守る役目がありますが、薬液で無理やり開くと、キューティクルが欠けたり剥がれたりして髪が傷みます。
施術後は美容師の指示に従い、とくに指示がなければトリートメントやヘアオイルなどでお手入れをしてキューティクルを閉じましょう。
パーマや縮毛矯正
パーマや縮毛矯正では、髪の形を決めるシスチンというアミノ酸の結合を切断して柔らかくする必要があります。そのため、カラーリングやブリーチ同様、薬液で無理やりキューティクルを開けます。また、髪の内側にあるタンパク質の構造を変性させるため、髪を内側から傷ませます。
トリートメントやヘアオイルなどを用いて保護します。美容師からの指示があれば、それに従ってください。
紫外線の影響
日々降り注ぐ紫外線は髪を保護している脂肪酸を失わせます。すると髪同士のこすれによってキューティクルが損傷したり、タンパク質や脂質の流出により内部がスカスカになったりします。 ダメージが深刻になる前に、帽子や日傘などで紫外線対策をしましょう。
髪の自然乾燥
髪は濡れるとキューティクルが開くため、自然乾燥で濡れている時間が長いと髪は傷みやすくなります。
髪は自然乾燥させずに、ドライヤーでしっかりと乾かしましょう。キューティクルは熱に弱いため、ドライヤーをあてるときは髪に近づけすぎず、温風・冷風を切り替えながら乾かします。
シャンプーの洗浄力
洗浄力の強いシャンプーを使用すると、頭皮だけでなく髪の脂分まで落とします。その結果、髪同士が摩擦でこすれて指通りが悪くなり、髪も傷みやすくなります。
洗浄力のやさしいシャンプーを使う、手のひらで泡立ててから撫でるようにやさしく洗うなどの方法で対策をしましょう。 キューティクルの仕組みを知っておくと、髪についての理解が深まり、ダメージケアにも役立ちます。キューティクルの仕組みについては以下の記事で詳しくご紹介します。
髪の傷み具合を簡単にチェックする方法
髪の傷み具合は自分で髪を触るだけで、簡単にチェックできます。以下の5つの項目をそれぞれチェックしてみてください。
- 手ぐしをすると途中で引っかかる
- 髪の毛を指先でこすると凹凸感がある
- 枝毛がすぐに見つかる
- 毛先が白くなっている
- 髪の毛が細く、髪のボリュームがなくなったと感じる
この5つの項目にどれに当てはまったかによって、髪の傷み具合をチェックできます。
1.手ぐしをすると途中で引っかかるなら…
キューティクルが剥がれかかって、髪の表面がささくれだったような状態です。髪の毛同士がこすれたときに引っかかり、指が途中で止まります。
2.髪の毛を指先でこすると凹凸感があるなら…
キューティクルが髪の毛のいたるところで剥がれているため、凹凸があるように感じられます。栄養や水分が逃げないように蓋をするキューティクルが剥がれているので、髪の毛は乾燥しがちになり、やがて枝毛や切れ毛につながります。
3.枝毛がすぐに見つかるなら…
髪全体に枝毛が増えてきた証拠です。枝毛とはキューティクルが剥がれたことで髪が乾燥しきって弱くなり、髪が先端からさけた状態です。
4.毛先が白くなっているなら…
髪の内部にあるタンパク質がダメージを受けて硬くなり、髪を突き破って外に飛び出している状態です。髪の傷み具合はかなり深刻です。
5.髪の毛が細く、ボリュームダウンを感じるなら…
髪が横に切れてしまう切れ毛や抜け毛が多くなり、全体的に毛は細く、少なくなっています。キューティクルはほとんど剥がれ、髪の内部はパサパサに乾燥しています。1~5の中では、髪の傷み具合は最も深刻です。
このように、5つの項目をチェックすることで髪の傷み具合がわかります。当てはまった数字が大きければ大きいほど、髪の傷み具合は深刻です。ダメージがあっても髪がさらさらになる理由

コンディショナーは髪の表面に保護膜をはることで、外部の刺激から髪を守ったり、ぱさつきやすべりなど髪の状態を整えたりする役割をもっています。
コンディショナーのバリア機能
髪の表面を保護膜でカバーするので、髪はダメージがあってもさらさらとした状態にすることができます。ただしあくまで表面を覆っているだけなので、根本的な髪の傷みを修復するにはいたりません。コンディショナーは髪にとって、ダメージを目立たなくするメイクであり、ダメージから守るバリアのようなものです。
コンディショナーで髪のダメージを軽減

髪のキューティクルは、水に濡れると開きます。その状態でシャンプーをすれば、髪同士のこすれによってキューティクルが傷つきます。それを防ぐには、シャンプー前にコンディショナーを塗るのがおすすめです。ふだんの洗髪手順を変えるだけで髪のダメージを最小限に抑えられます。
コンディショナーを先に使って洗う手順
1.ブラッシングで汚れを落とす
事前にブラッシングをすればシャンプーの泡立ちがよくなり、髪や頭皮に付着した汚れをある程度落とせるので洗髪しやすくなります。
2.シャワーで髪を濡らして汚れを落とす
お湯で頭部を濡らしましょう。このとき、一緒に頭皮マッサージを行なえば、毛穴に詰まった皮脂汚れを浮かせやすくなります。
マッサージは、耳を覆うようにして手の平を置き、小指がこめかみに来るように指を開きましょう。指の腹で、円を描きながら頭皮を軽く動かすように揉んでください。指の腹を少しずつずらしながら、徐々に頭頂部に近づけましょう。側頭部が終わったら、後頭部のえり足側、前頭部の生え際部分でも同様の手順で行なってください。
3.コンディショナーを髪全体につけてから軽く流す
汚れを軽く落としたら、適量のコンディショナーを手に取って髪にまんべんなくつけましょう。その後、シャワーで軽めに流してください。手で触ってみて、髪に少しぬめりを感じる程度まで落とせば充分です。
4.シャンプーをする
シャンプーは、よく泡立ててから髪に乗せ、指の腹で頭皮を軽く揉むように洗いましょう。
5.シャンプーをしっかり洗い流す
シャンプーの成分を頭皮に残せば、荒れる原因になります。シャンプーに費やした時間よりも長めに、シャワーで髪や頭皮をすすぎましょう。
6.コンディショナーで髪や頭皮をしっかり保護
シャンプー後は、髪や頭皮に残った皮脂が少なめになります。髪の保護のためにも、コンディショナーでしっかりケアしましょう。髪全体にまんべんなく塗って、3~5分置いた後、シャンプーのときと同様に頭皮へ成分が残らないようしっかりシャワーで洗い流してください。
コンディショナーで髪のダメージのリスクを下げる
紫外線・熱・摩擦・薬剤などあらゆる外部の影響に対して、髪は常に傷つけられるリスクをかかえています。
実はシャンプーやコンディショナーを使ったヘアケアも、頻繁にすると髪に摩擦をかけてダメージを与えます。良かれと思ってしていたことが、むしろ髪を傷つけていることも珍しくありません。基本的には、シャンプーは1日1回で充分です。
1日2回以上洗ってしまうと、頭皮だけでなく髪に必要な皮脂までも洗い流します。髪や頭皮に必要な皮脂を残すために、シャンプーの回数は1日1~2回が理想的です。
ただしコンディショナーはシャンプーの前後で使用する目的が違うので、2回は使うことになります。それ以上の使用は髪に余計な摩擦のダメージを与えてしまったり、頭皮にシャンプーやコンディショナーによる刺激を与えたりしかねません。
髪の傷みは治せなくても状態は良くなる
どれだけシャンプーやコンディショナーを使っても、髪の傷みが治ることはありません。
ですがコンディショナーに含まれる成分などで髪のダメージをカバーして、見た目の印象や感触を変えることはできます。外部からのダメージをさけて、ヘアケアを適切に活用していけば、それが髪へのダメージを少なくする生活につながります。
とくにヘアカラーやパーマを頻繁にする人は、日頃からダメージをため込まないようにより気を配りましょう。薬剤によって傷ついた髪は、さらにダメージが与えられるとより状態が悪化して見た目の印象や感触を損ないます。
バリア機能に優れたコンディショナーをうまく活用すれば、髪の傷みを治すことはできなくても質感や肌触り、しっとり感、まとまり感を補うことができます。
髪の傷みが気になる人は、コンディショナーで効果的な対策を実践していきましょう。