ヘアケア・育毛
公開日:2018年7月20日
更新日:2018年9月6日

薄毛(ハゲ)に効果なし?ひじきが髪に与える本当の作用
ひじきは髪に、そして薄毛対策に良いと言われていますが、実際に根拠があることなのでしょうか。
ひじきのおすすめの調理方法とともに、ひじきに含まれる栄養素と育毛の関係についてご説明します。
ひじきの育毛効果

ひじきは髪に良い、とはよく言われますが、残念ながら発毛効果まではありません。ですから薄毛(ハゲ)になった場合に治療するほどの力はありません。ただ、育毛効果については大いに期待できます。
ひじきに含まれる栄養素
ひじきは髪の育成に必要なミネラルやビタミンを豊富に含んでいます。コラーゲン生成を促進して頭皮の新陳代謝を助けるビタミンCや、皮脂の過剰分泌を抑えながら毛母細胞を活性化させるビタミンB2、その他にも育毛につながる栄養素を含んでおり、まさに「育毛食品」と言えるでしょう。
ひじきの栄養素について、より詳しく検証しましょう。
ミネラルの種類
マグネシウム・ヨウ素・鉄分は髪の育成には必要不可欠なミネラルです。ひじきを摂取すればこれら3つのミネラルを補えます。
マグネシウム
マグネシウムはミネラルの中でも重要な栄養素のひとつで、ホルモンの調整や体温調節のために必要なものです。
他にも、マグネシウムはストレスの軽減に効果があります。人はストレスを感じると、ストレス軽減のためのホルモンを生成するのですが、そのはたらきをマグネシウムはサポートします。さらに、糖質や脂質をエネルギーに変える作用にもマグネシウムは関与します。
ストレスは頭皮の血行不良を招き、エネルギーの不足は髪の成長に悪影響を与えます。これらのトラブルを解決する点でも、マグネシウムは薄毛(ハゲ)の予防において重要な役目を果たしています。
ヨウ素
ヨウ素は、細胞の代謝率を上昇させる「甲状腺ホルモン」の合成に必要なミネラルです。また、血管を柔軟にして血行を促進させる作用もあり、頭皮の代謝や血行促進においてもなくてはならない存在です。
タンパク質とともに摂取すると、頭皮の代謝や血行の促進効果も期待できます。
鉄分
鉄分は、血中の酸素と二酸化炭素を運搬するヘモグロビンに多く含まれる栄養素です。鉄分が不足するとヘモグロビンも不足し、酸素の運搬量が減ってしまいます。そうなると頭皮にも悪影響が出ます。細胞、血中の酸素量が少なくなることで代謝も弱まり、髪が育ちにくくなるためです。鉄分はタンパク質やビタミンと同様に積極的に摂取する必要があります。
タンパク質も必須
ミネラル、ビタミンの他に髪の成長に必須な栄養素としてはタンパク質があります。タンパク質は髪の毛だけではなく皮膚や内臓、血液など、人の身体のすべての部位に欠かせない栄養素です。
なお、髪の毛はケラチンタンパク質と呼ばれるタンパク質で構成されています。
動物性タンパク質と植物性タンパク質
タンパク質は肉や魚などの動物性タンパク質と、大豆などの豆類から摂取できる植物性タンパク質の2種類いずれかから摂取します。
動物性タンパク質には脂質も含まれているため、摂取しすぎると皮脂の過剰分泌を招きますが、吸収率に優れ、植物性タンパク質よりも摂取効率が良いのが長所です。両者をバランスよく摂るのが理想的です。
なお、食事で摂ったタンパク質は一度アミノ酸に分解され、再構築されてから体に分配されます。このとき、ケラチンを作るためのアミノ酸は18種類あります。
他の栄養との組み合わせが大事
タンパク質は他の栄養素と組み合わせることで、単体で摂取するより吸収効率が上がります。たとえばアミノ酸の合成を促進するビタミンC、ケラチンタンパク質の構成を促進する亜鉛も一緒に摂取すれば、より育毛につながる効果を得られます。
タンパク質とミネラルを含んだ料理
ひじきを使い、タンパク質とミネラルを豊富に含んだ料理を一品、ご紹介しましょう。
しいたけとひじきと大豆の煮物
ひじきはたいてい煮て食べるので、同様に煮て料理にできる大豆やしいたけと食べれば、育毛に必要な栄養を豊富に摂取できます。ひじきにはミネラルが、大豆には植物性タンパク質が、そしてしいたけには「エルゴチオネイン」が含まれています。エルゴチオネインは、薄毛(ハゲ)を招く男性型脱毛症(AGA)のもとである酵素・5αリダクターゼのはたらきを抑制する成分です。
これら3つに加え、鶏ムネ肉を入れて動物性タンパク質を補います。
大豆は乾燥したものを使うと24時間真水にさらすなどの手間がかかるため、すでに煮てあるものを使うとより手軽に作れます。
材料(2人分)
干ししいたけ:4枚
ひじき:55グラム
大豆:1パック
鶏ムネ肉:50グラム
砂糖:大さじ1杯
めんつゆ(2倍濃縮):大さじ2杯
・だし汁
しいたけの戻し水+水:計100ml
粉末だし:小さじ1杯
調理の手順
1.下準備としてひじきを1時間水にさらします(ひじきに含まれる微量のヒ素を除去するため)。その後、ザルで水を切ります。
併行して、干ししいたけをお湯に5分ほど漬けておき、やわらかく戻します。
2.しいたけを薄くスライスし、鶏ムネ肉は細く切ります。油を引いて熱したフライパンで材料を炒めます。
3.程よく熱が通りはじめたら、しいたけを漬けていたお湯に粉末だしを加え、フライパンに入れます。
4.だし汁が沸騰したら大豆と砂糖、めんつゆを加え、中火で5分煮込みます。
5.水気がなくなって味がしみこんだら完成です。
髪が抜ける前に育毛食・ひじきを食べよう

ひじきは発毛効果こそないものの育毛効果は充分にあります。薄毛(ハゲ)が深刻化する前に、予防を意識して食べるのが正解です。ひじきには髪に必要なミネラルが揃っており、他の食材ともあわせやすく、髪の構成に必要なタンパク質を含んだ料理を作りやすい食品です。
ひじきは主菜ではなく副菜として食べるのがほとんどですから、料理のおかずに一品足しやすいのも魅力のひとつです。育毛を意識した食生活をめざすのならば、ぜひひじきを取り入れてください。